著作権侵害差止等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成25(ネ)10027
判決日2013-09-30
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条、著作権法112条

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張は,原判決を下記のとおり補
正するほか,原判決の「事実及び理由」第2の1及び2のとおりであるから,
これを引用する(以下,原判決を引用する場合,「被告」を「控訴人」と,
「原告」を「被控訴人」と,それぞれ読み替える。略語についても同様であ
る。)。
(1) 原判決3頁1行目及び2行目の「取り上げたが,この部分は,原告書籍
(cid:4)(cid:2)
に依拠して著述されたものである。」を「取り上げた。」と改める。
(2) 原判決4頁11行目の「前記の前提事実(2)のとおり,」を削り,同頁1
2行目末尾に次のとおり加える。
「控訴人Xはこれを否認するが,控訴人Xは,AやBらへの取材の際,被控訴人
書籍を元に取材を行っているから,同人らに取材したからといって,控訴人
書籍が被控訴人書籍に依拠している事実は何ら変わるものではない。」
(3) 原判決4頁13行目末尾に,改行の上,次のとおり加える。
「 控訴人Xは,被控訴人各記述は全て事実の記載であると主張する。しかし,
被控訴人が当時抱いた感情を忠実に記載したから事実の記載であるとの主張
は,事実ないし事件を記述するに当たって,筆者が独自の観点で表現した部
分までもが,筆者が「事実」に対してそう感じたことは「事実」であるから
「事実」に当たる,と主張するに等しく,失当である。」
(4) 原判決4頁16行目の「創作性を」から同頁20行目末尾までを次のと
おり改める。
「その内容には,作者の想像による創作は存在せず,事実の客観描写のみで
構成されているものである。他方,被控訴人書籍は,本件事故で夫を失った
遺族である被控訴人により執筆された手記であり,客観的な事実に加え,被
控訴人が当時そのような感情を抱いたという事実を記載したものである。
そして,控訴人Xは,控訴人書籍を作成するに際して,本件事故の遺族等
の関係者に直接取材し,事実をありのままに記述したのであるが,被控訴人
書籍は,控訴人書籍との関係では単なる先行作品ではなく,事実関係を確認
するための取材対象の一つにすぎない。被控訴人書籍の記載内容については,
それが事実として確認できた内容や当時遺族の抱いた感情を記載したものと
確認できるものは,これを忠実に控訴人書籍に反映させるのはノンフィクシ
ョンの性質上当然のことであり,これらがいずれも事実の記載である以上,
控訴人書籍に共通する記載があったとしても,著作権侵害を構成するもので
(cid:5)(cid:2)
はない。
控訴人各記述については,本判決別紙「控訴人Xの主張」記載のとおり,
被控訴人各記述との間に共通部分があったとしても,これらの共通部分は,
客観的な事実の記載であるか,本件事故の遺族である被控訴人等が当時その
ような感情を抱いたという事実の記載であるから,いずれも

主文(判決文より)

1 控訴人らの原判決主文第1項及び第2項に対する控訴をいずれも棄却する。
2 原判決主文第3項を次のとおり変更する。
(cid:1)(cid:2)
(1) 控訴人らは,被控訴人に対し,連帯して57万7720円及びこれに対
する平成23年10月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支
払え。
(2) 原判決主文第3項の請求に関し,被控訴人のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,第1審において生じた費用はこれを8分し,その1を控訴人ら
の連帯負担とし,その余を被控訴人の負担とし,控訴費用はこれを全部控訴人
らの負担とする。
4 この判決は,第2(1)項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。