事件の基本情報
| 裁判所 | 最高裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和7(し)1043 |
| 判決日 | 2025-11-27 |
| 分類 | 最高裁 |
| 判決種別 | 決定 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点について関係者らの供述による立証が重 要となる証拠構造、原々裁判時における捜査の進捗状況等を踏まえると、被疑者が 関係者と通謀するなどして、罪体及び重要な情状事実について罪証を隠滅するおそ れがあり、このようなおそれは、被疑者が罪証隠滅行為に及ばない旨誓約している などの事情のみからは否定できず、被疑者の捜査に対する対応状況等も踏まえる - 1 - と、逃亡のおそれもないとはいえず、勾留の必要性も認められるとして、罪証隠滅 のおそれが高度であることを前提に、原々裁判を取り消した。 本件において勾留の必要性の判断を大きく左右する要素は、罪証隠滅の現実的可 能性の程度であると考えられる。この点につき、記録によれば、原々裁判は、原決 定指摘の事情も考慮の上で、罪証隠滅の現実的可能性を肯定しつつ、客観的証拠の 収集及び客観的証拠を踏まえた関係者らからの事情聴取が相当に進んでいること、 被疑者自身も数か月にわたって任意の取調べにおおむね応じていたこと、被疑者が 既に上記会社を退職しており、同社関係者が従前の供述を翻して被疑者に有利な供 述をするというような強い関係性まではうかがわれないことに鑑みて、罪証隠滅の 現実的可能性が高くはないと判断したものと認められる。このように、原々裁判の 判断は、一件記録に基づき、罪証隠滅の現実的可能性の程度を基礎付ける事情を具 体的に検討した上でされたものであって、その判断理由にも一定の合理性があると いえる。しかるに、原決定は、罪証隠滅の現実的可能性の程度について、原々裁判 が判断の基礎としたものとほぼ同一の事情を指摘するのみで、これらの事情に関す る原々裁判の評価が不合理であるとする理由を実質的に示すことができていないと いわざるを得ず、原々裁判と異なる判断をした理由を示したものとはいえない。 そうすると、勾留の必要性を否定した原々裁判を取り消して、勾留を認めた原決 定には、刑訴法60条1項、426条の解釈適用を誤った違法があり、これが決定 に影響を及ぼし、原決定を取り消さなければ著しく正義に反するものと認められる。 3 よって、刑訴法411条1号を準用して原決定を取り消し、同法434条、 426条2項により更に裁判をすると、上記のとおり本件について勾留請求を却下 した原々裁判に誤りがあるとはいえないから、本件準抗告は、同法432条、42 6条1項により棄却を免れず、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官 岡 正晶 裁判官 安浪亮介 裁判官 堺 徹 裁判官 宮川美津子 裁判官 中村 愼) - 2 -
主文(判決文より)
原決定を取り消す。 本件準抗告を棄却する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。