事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成26(行ケ)10033 |
| 判決日 | 2014-06-30 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法29条2項 |
この事件の代理人
- 松下聡(被告代理人)/大阪弁護士会
争点(判決文より)
争点は,進歩性判断の当否である。 - 1 - 1 特許庁における手続の経緯 原告は,平成21年5月13日,発明の名称を「外径1.4mmの灌流スリーブ」 とする特許出願をした(特願2009-133492号)が,平成25年2月15 日,拒絶査定を受け,同年3月4日,審判請求をした(不服2013-5251号)。 特許庁は,平成25年12月11日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との 審決をし,同審決謄本は,平成26年1月14日に原告に送達された。 2 本願発明の要旨 本願発明の要旨は,特許請求の範囲に記載された,以下のとおりである。 【請求項1】 「外径寸法(図1)が1.40mm以下(1.40mmを含まず)であって,か つ1.00mm以上である灌流スリーブ」 3 審決の理由の要点(争点と関係が薄い部分はフォントを小さく表記する。) 本願発明は,引用例(特開2000-33097号公報。甲1)記載の発明(引 用発明)に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから,特許法29条2項 により特許を受けることができない。 (1) 引用発明の認定 「外形寸法(図面)が1.40mm以上1.72mm以下である灌流スリーブ」 (2) 本願発明と引用発明との対比 (一致点) 「灌流スリーブ」 (相違点) 外径寸法について,本願発明においては,「1.40mm以下(1.40mmを含まず)であ って,かつ1.00mm以上」としたのに対し,引用発明においては,「1.40mm以上1. 72mm以下」とした点。 (3) 相違点についての検討 引用例には,灌流スリーブの外径寸法を小さくすることにより,切開創口を小切 - 2 - 開にできるという技術的意義,効果について,「【課題を解決するための手段】・・・ 本発明の灌流スリーブは外径1.6mm,内径を1.4mmにする。この器具の組 み合わせの時,切開創口は2.67mmあれば良い。・・・これで手術者は従来と同 じ手術手技手法のまま,小切開に移行できる。」(段落【0004】),「【発明の効果】 「本発明により,白内障手術における切開創口は2.55mmから2.80mmの 小切開で良い。術後の乱視発生は切開創口の長さに比例し,特に3.2mm以下で は著しく改善すると言われている。したがって劇的な低減を期待できる。」(段落【0 007】)と記載されており,切開創口を小切開にすれば,術後の乱視発生などを低 減できることは,白内障超音波乳化吸引術を行う当業者にとって明らかである。 したがって,引用発明において,灌流スリーブの外径寸法をより小さくし,本願 請求項1のものとすることは当業者が容易に想到し得ることである。 また,外径寸法の上限を「1.40mm以下(1.40mmを含まず)」にしたこ と,外径寸法の下限を「1.00mm以上」としたことに,格別,臨界的
主文(判決文より)
原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。