特許権侵害差止請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成26(ネ)10051
判決日2014-10-23
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法100条1項
当事者控訴人 株式会社エイワイシー/被控訴人 株式会社グロービア

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点,争点に関する当事者の主張は,原判決を次のとおり
補正するほか,原判決の「事実及び理由」第2の1及び3並びに第3のとおり
であるから,これを引用する。
原判決6頁13行目の「痴呆及び治療用の」を「痴呆予防及び治療用の」
と改める。
原判決7頁3行目冒頭に「ア」を加え,同頁6行目冒頭から同頁19行目
末尾までを,次のとおり改める。
「イ 次に,本件特許権者は,本件特許の出願経過において,本件発明の構成
要件Cの「組成物」から食品の構成を除外し,又は薬剤に限定するような
補正や主張をしていないし,本件発明と独立の関係にある「食品組成物」
に係る他の請求項を削除する補正を行ったものの,本件発明が特許査定さ
れたのはかかる補正を行ったためではない。
よって,栄養補助食品が構成要件Cの「組成物」に該当するとの控訴人
の主張に対し,包袋禁反言の原則が適用される理由はない。
そもそも,特許庁審査官は,本件発明に係る「組成物」に食品組成物
が含まれると考えて審査を行っており,これが医薬組成物のみを指すこ
とを前提に審査された形跡はない。
このことは,フェルラ酸が,当業者において,基本的に,食品添加物
すなわち食品,あるいは化粧品の原材料物質と認識されてきたという技
術常識や,特許庁審査官が,拒絶理由通知書において,特開平4-21
0643号公報(後記引用文献1)にクロロゲン酸は食品に添加する旨
記載されていることなどを挙げて,本件発明が当該引用文献に記載され
た発明であると指摘していることから明らかである。
また,本件特許権者は,平成18年12月13日付け意見書(乙1
1)において,食品組成物のクレームである補正後の請求項7について,
「請求項1の組成物を食品の形態にしたものであり,請求項1に記載の
全ての構成を含んでいる」と述べており,特許庁審査官は,これを前提
に審査している。
拒絶査定における食品組成物に関する拒絶理由は,その指摘内容から
見て,医薬組成物及び食品組成物の両方を含む組成物の新規性に関する
拒絶理由と,有効量配合の自明性に関する拒絶理由を前提としている。
そして,拒絶査定後に本件特許権者が,本件発明に「フェルラ酸又は
イソフェルラ酸である」との限定を加えるとともに,本件発明が,フェ
ルラ酸やイソフェルラ酸の活性酸素除去作用ではなく,フェルラ酸やイ
ソフェルラ酸がβアミロイドの脳内蓄積による神経損傷を防止し認知能
力を高めることにより,痴呆予防及び治療用組成物として使用できるこ
とに着目してなされた発明であり,特開平10-295325号公報
(後記引用文献2)に記載の発明とは異なるとの,本件発明の技術的意
義に則した説明を行ったことにより,上記の拒絶理由はいずれも解消さ
れた。
請求項1の「組成物」が請求項7の食品組成物を包含するものである
こと

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。