事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成26(行ケ)10167 |
| 判決日 | 2014-12-10 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法29条1項3号 |
| 当事者 | 原告 有限会社日新電気 |
この事件の代理人
- 中川真一(被告代理人)
争点(判決文より)
争点は,先願発明との同一性判断の当否である。 - 1 - 1 特許庁における手続の経緯 原告は,平成20年7月25日,発明の名称を「紫の可視光線と不可視光線の近 紫外線で透過するウイルス殺菌安全施設」とする特許出願をした(2008-21 3318号)が,平成24年9月27日,拒絶査定を受け,平成25年1月4日, 審判請求をした(不服2012-26174号)。 特許庁は,平成26年6月10日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審 決をし,同審決謄本は,同年7月2日に原告に送達された。 2 本願発明の要旨 特許請求の範囲の請求項1に記載された本願発明の要旨は,以下のとおりである。 【請求項1】 「屋内を殺菌作用のある紫色の可視光線と不可視光線の近紫外線で透過して,ウ イルスを殺菌することを特徴とした,『紫色の可視光線と不可視光線の近紫外線を 透過する構造としたウイルス殺菌安全施設』。」 3 審決の理由の要点 本願発明は,引用例(特開平9-207262号公報。甲1)記載の発明(引用 発明)と同一の発明であるから,特許法29条1項3号により特許を受けることが できない。 (1) 引用発明の認定 「熱光線である赤外線を遮断して紫外線を透過する,温室用の被覆シートに使用 する農業用シートにおいて,紫外線(UV)及び波長400~700nm近辺の可 視光線をともに良好に透過する農業用シートであり,波長約300nm以下の分光 透過率は0%であり,波長が増加するに従い透過率が増加し,波長400nmにお いて70%超の透過率に達し,波長400~700nmにおいても70%超の透過 率を有する,紫外線の透過によって植物の栽培が円滑に行える農業用シートを用い てなる温室。」 (2) 本願発明と引用発明との対比 - 2 - (一致点) 「屋内を紫色の可視光線と不可視光線の近紫外線で透過して,紫色の可視光線と 不可視光線の近紫外線を透過する構造とした施設。」 (形式上の相違点) 本願発明は,紫色の可視光線と不可視光線の近紫外線に関して「殺菌作用のある」 こと,また,施設に関して「ウイルスを殺菌することを特徴とした,ウイルス殺菌 安全施設。」であるのに対し,引用発明はそのようなものであるか不明である点。 (3) 形式上の相違点についての検討 発明の詳細な説明の記載からみて,本願発明に係る施設は,構造物に透明のビニ ール又は合成樹脂を貼り付けて300~400nmの波長を含む紫の可視光線と不 可視光線の近紫外線が透過した施設であると解される。したがって,本願発明の「屋 内を殺菌作用のある紫色の可視光線と不可視光線の近紫外線で透過して,ウイルス を殺菌することを特徴とした,『ウイルス殺菌安全施設』。」との事項は,透明のビニ ール又は合成樹脂を貼り付けて300~400nmの波長を含む紫の可視光
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。