損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成25(ネ)10095
判決日2015-02-19
分類知的財産 / 不正競争
判決種別判決
判決文が挙げた条文不正競争防止法2条1項4号、不正競争防止法2条6項、不正競争防止法4条、民法709条
当事者控訴人 株式会社TOWA控訴人X1控訴人X2/被控訴人 東和レジスター東関東販売株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
本件顧客情報が不正競争防止法2条6項の営業秘密に当たるか否か(争点
1)
控訴人X1及び同X2が,不正競争防止法2条1項4号ないし9号の不正
競争行為を行ったか否か(争点2)
被控訴人の損害の発生及びその額(争点3)
4 争点に関する当事者の主張
争点1(本件顧客情報が不正競争防止法2条6項の営業秘密に当たるか否
か)について
〔被控訴人〕
ア 秘密管理性について
被控訴人は,本件顧客情報を本社3階にある管理部の執務室に設置した
専用パソコン1台(顧客管理パソコン)に集約して管理していた。顧客管
理パソコンには,起動パスワードが設定されており,管理部所属の従業員
4名だけがこれにアクセスすることができた。
また,管理部の執務室は,その出入口の扉が施錠されているほか,警備
会社によりセキュリティ管理がされており,扉の鍵及び警備会社によるセ
キュリティを解除する警備カードキーは,被控訴人の役員,管理部所属の
正社員3名しか保有しておらず,管理部の執務室が不在となる場合には,
扉に施錠され,警備がかけられていた。
さらに,被控訴人は,個人情報保護基本規定(本件規定。甲8の1)や
就業規則(本件就業規則。甲83),業務通達(甲8の2),勤務契約書
(甲84)で従業員に対し顧客に関する情報の守秘義務を課し,これらの
内容の従業員への周知も図っていた。
加えて,管理部に所属する者以外の者がその業務に本件顧客情報を必要
- 4 -
とする場合には,本社に書面で申請することとされており,申請があると,
本社の管理部において必要な部分に限りこれを送付していたが,顧客情報
を送付するについては,送付先の所属長(個人情報管理責任者)に対し厳
重管理を指示して送付しており,顧客情報を受領した所属長は,その旨の
返信書面(甲7)を本社管理部に提出する扱いとなっていた。
以上のとおり,本件顧客情報は,秘密として管理されていた。
イ 有用性,非公知性について
本件顧客情報は,平成22年3月31日の時点で2万6378件の販売
情報から構成されており,リース期間等の満了が近づいた顧客に対し買替
えを勧めたり,顧客に対し消耗品等の購入を勧めたりする際に,有用な営
業上の情報であり,また,一体的には公開されていないから,公然と知ら
れていないものである。
ウ 以上によれば,本件顧客情報は,不正競争防止法2条6項の「営業秘
密」に該当する。
〔控訴人ら〕
ア 秘密管理性について
顧客管理パソコンの起動パスワードは,Bが平成22年3月31日に被
控訴人を退職するまで,一度も変更されたことはない。したがって,管理
部に所属したことがある従業員であれば,顧客管理パソコンを起動し,本
件顧客情報にアクセスすることができ,実際にも,Bは,平成21年9月
に管理部から営業部に配置換えとなった後も,管理部

主文(判決文より)

1 原判決を次のとおり変更する。
2 控訴人らは,被控訴人に対し,連帯して1110万4450円及びこれに対
する平成23年7月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被控訴人のその余の請求をいずれも棄却する。
- 1 -
4 訴訟費用は,控訴人らと被控訴人との間では,第1,2審を通じこれを10
分し,その1を控訴人らの負担とし,その余を被控訴人の負担とする。
5 この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。