事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成26(ネ)10069 |
| 判決日 | 2015-03-05 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点(1)-1) (控訴人の主張) (ア) 構成要件Aについて - 4 - 溶解炉とは,「固体金属を熱源で加熱して溶融金属に変える炉」であれば足り,保 持炉は,その「『固体金属を熱源で加熱して溶融金属に変える炉』で溶解した溶湯を 一定の温度に保持し,鋳造機又は鋳型に注湯するために設置された炉」であれば足 りるのであり,溶解炉と保持炉との両方に該当する単一の炉,すなわち「固体金属 を熱源で加熱して溶融金属に変え,溶解した溶湯を一定の温度に保持し,鋳造機又 は鋳型に注湯するために設置された炉」が存在することを排除するものではない。 また,構成要件Aの記載からも明らかなとおり,「溶解炉」は「溶解された」を修 飾する語として用いられているにすぎず,構成要件Aにおいては,本件発明の構成 要素としては,「保持炉」,「取鍋」,及び「黒鉛球状化処理装置」の3要素が挙げら れているのみであって,「溶解炉」は本件発明の構成要素にすらなっていない。 さらに,保持炉と溶解炉とが別に設けられる技術的意義や必要性について,本件 明細書から読み取ることはできないから,これらが別の炉である必要はなく,溶解 炉と保持炉を一つの炉で兼ねた場合であっても,上記の機能を有するものであれば, 「保持炉」に相当するというべきである。 したがって,被控訴人製品の高周波誘導炉は,固体金属を熱源で加熱して溶融金 属に変える炉であるとともに,溶湯を一定の温度に保持し,鋳造機又は鋳型に注湯 するために設置された炉でもあるから,溶解炉と保持炉の両方の定義に該当するこ とは明らかであって,構成要件Aを充足する。 (イ) 構成要件Bについて 被控訴人製品は,ローラコンベア等の移動手段により,受湯台上に存在する取鍋 をその上で移動させない限り,取鍋駆動手段へと取鍋を受け渡すことはできないこ とは明らかであるから,被控訴人製品の受湯台は,本件発明の「取鍋移動手段」に 相当する手段を備えているといえる。また,取鍋を移動させる手段である被控訴人 製品の取鍋駆動手段が取鍋を傾動させる動作をも行うことは,取鍋駆動手段が本件 発明の「取鍋移送手段」に相当することを否定する根拠にはなり得ない。さらに, 被控訴人製品が,黒鉛球状化処理装置まで取鍋を移動させるために取鍋移送手段が - 5 -
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。