損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成27(ネ)10075
判決日2015-11-30
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法102条3項、特許法123条1項6号
当事者控訴人 大林精工株式会社/被控訴人 AppleJapan合同会社/被控訴人 補助参加人エルジーディスプレイカンパニーリミテッド

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点(3)アに関し,①控訴人代表者には,液晶表示装置に関する
技術を専門的に研究したり,技術開発や部品製造等の業務に従事した経験は
なく,控訴人においては液晶表示技術に関する実験が可能な設備や施設が備
えられていなかったこと,②控訴人代表者が,その本人尋問の際に,歩留ま
りの割合等の本件発明と従来技術との作用効果の違いを具体的に説明するこ
とができなかったこと,③控訴人代表者が本件発明の構成要件Eの構成を着
想するに至る経過を示す客観的証拠が提出されていないこと,④Aが,本件
出願当時,液晶表示装置に関する技術や製造方法等に精通し,本件明細書を
図面を含めて作成し,特許庁審査官との面接に出席して審査官と意見を交わ
し,これを踏まえて補正を行っているといった事情が存在し,これらの事情
から構成要件Eの構成はAによって着想されたことを推認できることを認定
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した上で,①ないし④の諸点によれば,構成要件Eの構成を着想したのは,
控訴人代表者ではない旨判断した。
しかしながら,控訴人代表者は,本件出願前に,ソニーに勤務していたこ
ろにAとの議論を通じて液晶技術の知識を身につけるとともに,本件学会に
出席して日立公報や関連する論文,雑誌及び新聞の類に目を通すことによっ
て,液晶技術に関する一般的な知識を習得していたこと,液晶表示装置を構
成する各電極を絶縁層を介して分離することにより,互いの電極が短絡する
可能性が減少し,その結果,液晶表示装置の各画素における欠陥が生じる可
能性もまた減少することは,具体的な製造歩留まりや生産コストに関する技
術的知識や経験がなくとも,液晶表示装置に関する基本的な知識さえ有して
いれば着想することができることからすると,原判決が挙げる上記①及び②
の点は,控訴人代表者が構成要件Eの構成を着想したことを否定する根拠と
なるものではない。
また,控訴人代表者が本件発明を完成させたのは約20年も前のことであ
るし,控訴人は中小企業であり,資料保管のためのリソースも有していない
以上,その裏付けとなるメモ等が残っていないことは何ら不合理なことでは
ないから,原判決が挙げる上記③の点も,控訴人代表者が構成要件Eの構成
を着想したことを否定する根拠となるものではない。
さらに,原判決は,上記④の事情から構成要件Eの構成はAによって着想
されたことが推認できる旨判断したが,控訴人代表者が構成要件Eの構成を
着想してそれをAに伝えたのであるから,Aが液晶表示装置に関する技術等
に精通していたかどうかは無関係であるし,発明者本人ではなく,当該発明
者から着想を伝えられた弁理士等が特許明細書を図面を含めて作成すること
は,特許業界における通常のプラクティスであるから,Aが本件明細書等を
作成したからといって,Aが本件発明の発明者となるものではな

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用(補助参加によって生じた費用を含む。)は控訴人の負担
とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。