特許権侵害差止等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成26(ネ)10124
判決日2015-12-16
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法17条、特許法29条1項3号、特許法29条2項、特許法36条6項1号、特許法100条1項、特許法104条

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 控訴人製品の構成要件D及びEの充足性(争点1)
(2) 特許法104条の3第1項に基づく本件特許権の権利行使制限の成否(争
点2)
ア 特許法17条の2第3項違反の無効理由の有無(争点2-(1))
イ 特許法36条6項1号違反の無効理由の有無(争点2-(2))
ウ 特許法29条1項3号違反の無効理由の有無(争点2-(3))
エ 特許法29条2項違反の無効理由の有無(争点2-(4))
(3) 被控訴人の損害額(争点3)
3 争点に関する当事者の主張
(1) 争点1(控訴人製品の構成要件D及びEの充足性)
(被控訴人の主張)
ア 構成要件D及びEの解釈
構成要件Dは,構成要件Cに係る「第1の刃と第2の刃を設けた本体」
に「ガイド板」が「可動的に接続されている」ことを規定するが,「可動」
とは「動かすことの可能なこと。」,「接続」とは「つなぐこと,つなが
ること。」であり,それぞれ明確であるから,構成要件Dは,要するに,
「本体に対してガイド板が動かすことが可能な態様でつながれている」こ
とを意味する。また,構成要件Eは,「本体がガイド板に対して動くこと
により,ガイド板から,本体に設けられた第1の刃又は第2の刃が出る」
ことを意味する。これらの解釈に何らの疑義はない。
このような解釈は,本件出願の願書に添付した明細書(以下,図面を含
めて「本件明細書」という。甲9)の「本体(1)の中に,カッターナイ
フの刃(2)を設け,シャフト(3)の通ったガイド板(4)を設ける。」
(段落【0005】),「このシートカッターはノンスリップシートなど
の表面の凹凸に,ガイド板(4)を合わせ,シャフト(3)を軸に本体を
傾けるだけで,設けてあるカッターナイフの刃(2)が出てくる。」(段
落【0006】)との記載や,図3(別紙明細書図面参照)に示された構
造に現れており,特段の矛盾はない。
また,本件特許発明の技術思想に照らしても,ガイド板に対して本体が
動き,それによって本体に設けられたカッターナイフの刃がガイド板の外
に出ることが重要なのであって,ガイド板に対する本体の動き方が「回転
するよう」なものに限定される必然性も,「1つのシャフトのみを介」す
る構成となる必要性もない。
イ 控訴人製品が構成要件D及びEを充足すること
控訴人製品は,動かすことができるように本体3とつながれているガイ
ド板6を有しているから,「本体に対してガイド板が動かすことが可能な
態様でつながれている」といえるし,ガイド板6をシートに当てて固定し,
本体3をガイド板6に対して動かすと,ガイド板6によって刃先が隠れて
いた刃1又は刃2が,ガイド板6から出てくるから,「本体3がガイド板
6に対して動くことにより,ガイド板6から,本体3に設けられた第1の
刃又は第2の刃が出る」といえる。
した

主文(判決文より)

1 原判決中,控訴人敗訴部分を取り消す。
2 前項の部分に係る被控訴人の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,第1,2審を通じ,被控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。