事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和4(ネ)10028 |
| 判決日 | 2022-07-13 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法100条1項 |
| 当事者 | 被控訴人 日本ケミファ株式会社/被控訴人 日本薬品工業株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点」及び「争点に関する当事者の主張」は、原判 決9頁6行目末尾に行を改めて以下のとおり加え、後記3に当審における当事 者の補充主張を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の第2の1及び 2並びに第3に記載されたとおりであるから、これを引用する。 「カ 知的財産高等裁判所は、令和4年3月7日、前記審決取消訴訟につい て、控訴人の請求を棄却する旨の判決をした(乙27)。」 3 当審における当事者の補充主張 ⑴ 争点1-1(実施可能要件違反の有無)、争点1-2(サポート要件違反 の有無)、争点2-1(無効理由の解消の有無)及び争点2-2(訂正要件 の具備の有無)について ア 控訴人の主張 痛みを発生原因から侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛及び心因性疼痛の 3つに区分することは誤りである。 本件特許の優先日(本件優先日)当時、①痛覚過敏や接触異痛は、全て、 末梢や中枢の神経細胞の感作という神経の機能異常によって生ずるもの であること、したがって、中枢神経に作用する薬剤を用いれば、末梢や中 枢の神経細胞の感作が生じた原因にかかわらず、その神経細胞の感作を抑 制することによって痛みの治療ができるとの技術常識と、②ホルマリン試 験、カラゲニン試験、術後疼痛試験は神経細胞の感作を反映する試験であ り、神経障害性疼痛や線維筋痛症等の慢性疼痛に共通する痛覚過敏や接触 異痛に対する薬剤の有効性を確認する試験であるとの技術常識があった。 したがって、これら技術常識を踏まえて本件明細書等の記載に接した当 業者は、本件化合物が慢性疼痛全般に有用であることを十分に理解できる。 前記①の技術常識について 従来から、痛覚過敏や接触異痛が神経細胞の感作によると文献で指摘 されていたほか(甲40、77等)、線維筋痛症における痛覚過敏や接 触異痛について中枢性感作によるものであることが明らかにされ(甲2 6、162、163、166等)、マスタードオイル試験やカプサイシ ン試験によって痛覚過敏や接触異痛の原因が中枢性感作によると結論 付ける文献や(甲39、41、59等)、術後疼痛における痛覚過敏や 接触異痛が中枢性感作又は神経細胞の感作によるとする文献もあった (甲15の1、52、58、133等)。 そして、中枢神経に作用し、原因にかかわらず痛覚過敏や接触異痛を 鎮痛することのできる薬剤としては、ケタミン(甲46等)やアミトリ プチリン(甲146、164等)が存在し、さらに、抗てんかん薬であ るギャバペンチン(甲136等)も知られていた。 前記②の技術常識について ホルマリン試験の後期相は中枢性感作により生ずるものとされ(甲2 7、45ないし51、168等)、ホルマリン試験の後期相と神経障害 性疼痛とを同視し、ホルマリン試験を中枢性感作による慢性疼痛のモデ ルとして利用していた研究や(甲42、1
主文(判決文より)
1 本件控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 3 この判決に対する上告及び上告受理のための付加期間を30日と定 める。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。