事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(行ケ)10034 |
| 判決日 | 2016-09-21 |
| 分類 | 知的財産 / 意匠 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 意匠法7条 |
| 当事者 | 原告 井村屋グループ株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点は,一意匠一出願の要件(意匠法7条)についての判断の当否で ある。 1 特許庁における手続の経緯 原告は,平成25年3月7日,意匠に係る物品を「冷菓」として,別紙記載の本 願意匠につき意匠登録出願をし(意願2013-5010号。甲1の1及び2),平 成26年5月29日付けで拒絶査定を受けた(甲2)ので,同年8月25日,意匠 に係る物品を「容器付冷菓」と手続補正した(甲4)上で,拒絶査定に対する不服 の審判を請求した(不服2014-16810号。甲3)。 特許庁は,平成27年11月20日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との 審決をし,その謄本は,平成28年1月6日に原告に送達された。 2 審決の理由の要点 (1) 請求人(原告)は,本願意匠が一意匠と認められるための要件として, (A)意匠に係る物品が,その実施において常に一つのまとまった対象として扱 われるものであること(原告A要件), (B)意匠が,その実施において常に特定した同一性を維持するものであること が必要である(原告B要件),と主張する。 (2) 当審も,一意匠と認められるための要件として,この二つの観点で考察す ることを全く否定するものではないが,これらの要件を満たすだけでは十分とはい えず,これらの要件の他に,意匠の創作としての一つのまとまりという観点に立っ て考察されるべきものと考える。 具体的には,意匠の創作において,その全体の創作に至る各対象部位の創作の内 容が,必然的に相互に関連するよう考慮,調整されるとともに,全体として総合的 に設計,造形されているものであり,その各対象部位に対してなされたそれぞれの - 2 - 創作の内容が,まとまりのある一体のものとして捉えて評価ができるものであるこ とが必要である。 本願に表された「容器付冷菓」を,その創作の対象の属性及びその創作の内容と してのまとまりという観点から考察すると,「冷菓」という食される物品の形態の 創作内容,例えば,清涼感や甘味やうまみなど食することで得られるであろう充実 感・満足感を想起させ,訴求力につなげる形態の実現への創作と,「容器」つまり 流通や販売時等における内容物の保護及び保管等の便利のための用具・道具である 物品の形態の創作内容,例えば,見た目の美しさに加え,耐久力やつかみやすさな どの形態への配慮等は,それぞれごとに捉えるべきものである。また,本願に表さ れた「容器付冷菓」を,意匠の創作のまとまりとして形態的な一体性の観点で見た 場合にも,単に略逆円錐台形状の「容器」の中に「冷菓」を入れた状態を表したに すぎないものであるから,やはり一つのまとまった創作と捉えることはできない。 したがって,本願に表されたものは,「容器付冷菓」という一つの物品の一つの 形態,つまり一つの意匠を表したものとはいえず,「冷菓
主文(判決文より)
1 特許庁が不服2014-16810号事件について平成27年11月20日 にした審決を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。