事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(行ケ)10041 |
| 判決日 | 2016-09-28 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法36条4項1号 |
| 当事者 | 原告 JXエネルギー株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点は,実施可能要件(特許法36条4項1号)の充足の有無である。 1 特許庁における手続の経緯 原告は,名称を「潤滑油組成物」とする発明について,平成21年6月4日に特 許出願(本願。特願2009-135366号,請求項の数5。)をしたが(甲1),平成2 5年12月16日付けで拒絶査定がされたため(甲2),平成26年4月7日,拒絶 査定不服審判請求(不服2014-6385号)をしたが(甲3),平成27年6月30日 付けで拒絶理由通知を受け(甲4),同年9月7日,手続補正(本件補正。請求項の 数4。)をした(甲5)。 特許庁は,平成27年12月28日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との 審決をし,その謄本は,平成28年1月12日,原告に送達された。 2 本願発明の要旨 本願の請求項1に係る発明(本願発明)の特許請求の範囲の記載は,次のとおり である(以下,本件補正後の本願の明細書〔甲1,5〕を「本願明細書」という。)。 なお,下線は,当裁判所で付した。 「 100℃における動粘度が1~20mm2/s であり,%C が70以上であり,% P C が2以下であり,%C が30以下である潤滑油基油と, A N 13C-NMRにより得られるスペクトルにおいて,全ピークの合計面積に対す る化学シフト36-38ppm の間のピークの合計面積M1と化学シフト64-6 6ppm の間のピークの合計面積M2の比M1/M2が0.20以上3.0以下である - 2 - ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤と, を含有し,40℃における動粘度が4~50mm2/s であり,100℃における 動粘度が4~12mm2/s であり,100℃におけるHTHS粘度が5.0mPa・ s以下であることを特徴とする潤滑油組成物。」 3 審決の理由の要点 ① 本願発明に対応する,実施例における唯一の粘度指数向上剤は,本願明細書 【0104】に記載された「A-1」であるが,A-1について,具体的な構造, 又は,製造方法やモノマー成分など,構造をうかがい知るための記載がなく,複数 のパラメーターについての数値が示されているだけである。 そこで,各種パラメーターが,他の発明の詳細な説明の記載や技術常識に基づい て,具体的な化学構造を示すことに代わり得るものといえるかが問題となる。 ②[1] 13C-NMRの化学シフト(M1,M2,M1/M2)は,分子構造中に 存在する各炭素原子の周囲の原子配置状況に応じて決まるものであるが,特定の化 学構造が対応するものではなく,化学シフトの範囲や「特定の β 分岐構造」といっ た手掛かりが与えられても(【0056】),粘度指数向上剤の構造を特定することは 極めて困難である。 [2] R2に関する記載は漠然としており(【0059】【0060】),化学シフ トの記載と併
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。