事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(ネ)10056 |
| 判決日 | 2016-10-05 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法102条2項 |
| 当事者 | 控訴人 JX金属株式会社/被控訴人 田中貴金属工業株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点(2)に関する当事者の主張を付 加するほかは,原判決の「事実及び理由」の第3記載のとおりであるから,これを 引用する。 (1) 構成要件B-(1)について 〔控訴人の主張〕 ア 「球形の相」について (ア) 乙32は,被控訴人の取締役常務執行役員の陳述書であるが,相(b)の 原料粉末の形状を全く考慮していないため,当業者の技術常識を示しているという ことはできない。すなわち,純Co粒子を原料としているとの被控訴人自らの主張, 被控訴人のターゲットはアトマイズ粉末を用いているとの主張及び被控訴人製品1 の組織写真(甲5,9,62の1・2,67,89,90)をみると,大部分が円 形の相として観察される事実からすれば,被控訴人製品1の相(b)の原料は,球 形の純Co粉末であることに間違いない。そうすると,被控訴人製品1の相(b) の原料が球形の粉末である以上,被控訴人製品1の一断面のSEM画像で観察され た円形の相(直径と短径の差が0~50%である相)の立体的形状について,原料 の形状を全く無視して判断する乙32は非常識である。 (イ) 乙32は,乙32を提出する以前の被控訴人の主張とも真っ向から矛盾し ており,当業者の技術常識は乙32の提出前の被控訴人の主張のとおりである。 すなわち,被控訴人は,従前,①一断面のSEM写真の円形相を「球形」と評価 した主張を行い,②「球形の相(B)」は,原料の球形粉末が粉砕されることなく, その形状を維持したまま焼結されたものであると主張し,③被控訴人製品1の認否 の際に,「球形」であること自体は認める主張を行い,④被控訴人出願に係る特許 公報(甲69)に記載されているターゲットの組織において観察される円形の相を 球状と評価し,⑤当業者は,アトマイズ合金粉末を原料粉末として用いたターゲッ トの組織において観察される円形の相を球形であると評価している。 (ウ) 統計的判断に基づけば,被控訴人製品1の立体的形状は球形であるという ほかない。すなわち,被控訴人製品1のSEM写真では,四角形や三角形が確認で きないという事実は,一断面で「円形」の相の立体的形状が球形ではないかもしれ ないとの想定が成り立たないことを示している。 (エ) 控訴人が当審で新たに提出した分析結果(甲60,61)は,断面におい て円形で観察される相(b)の立体的形状が球形であることを端的に証明している。 すなわち,甲60の図2,3は,被控訴人製品1のエロージョン面に対して垂直方 向の面を2つ切り出し,これをSEM観察したものであるところ,円錐形などの形 状は一切見当たらない。また,甲61のシミュレーションによれば,想定される焼 結条件によって変化する可能性のあるCo粉末のヤング率及び降伏応力をかなり広 い範囲でふっても,変形はほとんどない結果となっている。
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。