事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和4(ネ)10103 |
| 判決日 | 2023-03-16 |
| 分類 | 知的財産 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条 |
この事件の代理人
- 梅田康宏(被控訴人代理人)/東京弁護士会
争点(判決文より)
争点及びこれに関する当事者の主張 (1) 原告文章の著作物性並びに原告の著作権(公衆送信権)及び著作者人格権(氏 名表示権)の侵害の有無(以下「争点1」という。) (控訴人の主張) ア 将棋の対局マナーは、多くのウェブサイトや書籍等において取り上げられて いるテーマではあるが、誰が記載しても同じになるというものではない。特に、原 告文章を含む原告ウェブサイト中の文章は、控訴人が、将棋及び執筆の豊富な経験 や知識を基に、閲覧者のレベルを考慮し、なるべく一般的な用語を用いて、端的に、 正確に、誤解が生じにくく、分かりやすく、面白いものとなるよう、長い時間をか けて試行錯誤を重ねて作成したものであって、独自性が高く価値の高い成果物であ る。 イ 具体的には、次のとおりであって、原告文章は、一般的な情報の羅列ではな く、選択した内容、伝える順番、具体的な用語、言い回しに控訴人の個性が現れた ものであり、分かりやすく、面白く、強烈なインパクトのある表現を含み、段違い に印象に残りやすいもので、一般的な表現の範囲を超えた、思想又は感情を含む創 作的な表現である。 (ア) 原告文章1について 将棋の対局者や座席に上位及び下位の概念があり、対面対局においては上位者が 上座、下位者が下座に座るという知識を持っている将棋ファンは多いが、プロ棋士 の対局と異なり、将棋道場等におけるアマチュア同士の対局においては座る場所に 関する共通的な決まりごとが存在しないという違いを知らず、着席前に動揺してし まう将棋初心者を、控訴人は何人も見てきた。控訴人は、その経験を生かし、プロ との違いを知ってもらうため、座る場所をあえてマナー情報に含めて記載しており、 - 4 - その選択における独自性は高い。また、原告文章1では、「あまり気にする必要は ありません」とまず明記して勘違いを防いだ上で、「空いている場所を探してスム ーズに着席」という具体的な行動まで端的に記述することで、迷わなくて済むよう 工夫をしている。 (イ) 原告文章2について ゲームやスポーツ等において、目上の人や指導する人だけが準備や片づけを行う ことはまれであるため、控訴人は、将棋において、駒の準備や片づけを我先に行お うとする将棋初心者を何人も見てきた。控訴人は、その経験を生かし、特にマナー 知識の乏しい将棋初心者の目線から、「下位者が手を出さないようにしましょう」 と、やらないことがマナーであると明記して勘違いを防いだ上で、「雑用は喜んで!」 と、将棋初心者が抱きがちな感情を、将棋のマナーについて説明した他の書籍やウ ェブサイトでは一切使われていないが一般社会ではありふれた表現を用いて創作的 に表現することにより、印象に残りやすくするといった唯一無二の工夫をしている。 (ウ) 原告文章3及び4について 控訴人は、それぞれ
主文(判決文より)
1 被控訴人は、控訴人に対し、5万5500円及びこれに対する令和 3年5月30日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員 を支払え。 2 控訴人のその余の請求を棄却する。 3 控訴費用は、これを3分し、その2を控訴人の負担とし、その余を 被控訴人の負担とする。 4 なお、原判決は、控訴人の訴えの交換的変更により、失効している。
出典
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