著作権侵害差止等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和5(ネ)10020
判決日2023-09-05
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法112条1項

この事件の代理人

  • 小泉淑子(被告代理人)/第二東京弁護士会

争点(判決文より)

本件の争点は、被控訴人の不当利得の有無であり、この点に関
する双方の主張は、以下に補足するほか原判決第2の4(3)(7頁)に記載の
とおりであるから、これを引用する。
【控訴人の主張】
(1) 本件ポリシーの作成を被控訴人の事業として遂行しようとした場合、本
来だと、防災ポリシー作成に特化した技術プロジェクトを立ち上げ、数億円
の予算を講じるべきものである。しかし、被控訴人は、本件ポリシーの作成
は本件委託契約と無関係であるにもかかわらず、本件ポリシーの著作権を
得たと主張し、そのフィジー政府への譲渡を既成事実化することで不当に
利得を得ている。
フィジー政府に対する著作権の譲渡が被控訴人に金銭的な利益をもたら
さないとしても、本件ポリシーが契機となって、フィジーが防災援助に関す
る重点国に指定され、50億円ともいわれる防災関連ODA予算が計上さ
れるなど、被控訴人は多大な利益を得ている。
(2) 本件ポリシーについて支払われるべき対価は3億7206万円であり,こ
れに対し控訴人は被控訴人から派遣手当として月額31万2300円及び
国内給付として月額38万9200円を得ていたにとどまるから、控訴人は
その差額相当の損失を被り、被控訴人が本件プロジェクトにおいて本件ポリ
シーを利用しているのであれば、被控訴人は同額の利得を得ていることにな
る。控訴人は、その一部である3000万円の支払を被控訴人に求める。
被控訴人は、控訴人が被控訴人から上記報酬を受けていることから控訴人
に損失は発生していないと主張するが、同報酬は、本件ポリシー作成以外の
専門家業務についての対価である。
(3) 本件ポリシーに係る著作権が控訴人に帰属している理由は、原判決第2
の4(1)の「原告の主張」欄のとおりであるが、以下で補足して説明する。
ア 本件ポリシーの作成は、本件委託契約の定める控訴人の業務内容に含
まれない。
すなわち、本件委託契約の契約書(甲1)の「期待される成果」には、
防災ポリシーの作成は記載されていない。控訴人が、本件委託契約終了後
に提出した本件完了報告書(甲5)にも、フィジーの防災ポリシーの作成
は、本来のワークプランに含まれていなかった旨明記されている。
また、本件ポリシーの作成が控訴人の業務であったなら、それを完成さ
せないことは債務不履行になるはずである。しかし、控訴人が本件ポリシ
ーを完成させずに派遣期間満了となっても問題とされなかった。
イ 控訴人の派遣期間満了の平成30年10月5日から、本件ポリシーの完
成に至るまでの間、控訴人により、本編についてだけで328か所、付属
資料まで含めれば膨大な修正が施されている。これが本件委託契約の定め
る業務と関係ないことは明らかである。
【被控訴人の主張】
(1) 控訴人は、控訴人と被控訴人が締結した本件委託契約

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。