商標権に基づく差止請求権不存在確認請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和5(ネ)10044
判決日2023-11-01
分類知的財産 / 商標
判決種別判決
判決文が挙げた条文商標法2条3項2号
当事者被控訴人 パイオニア株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 控訴人が本件在庫商品を販売することについて本件商標権の侵害となるか
(2) 被控訴人が控訴人による本件在庫商品の販売行為に対して本件商標権を行使
することが信義則違反又は権利濫用となるか
4 争点に関する当事者の主張
(1) 争点(1)について
原判決4頁25行目の「適法に付されていれば」を「製造時に適法に付されてい
れば」と改めるほか、原判決の「事実及び理由」の第2の4記載のとおりであるか
ら、これを引用する。
(2) 争点(2)について
ア 控訴人の主張
(ア) 被控訴人と破産会社は平成26年に資本業務提携契約を締結するとともに
それに関連して本件使用許諾契約を締結し、平成27年に破産会社がパイオニアホ
ームエレクトロニクス株式会社の全株式を取得して破産会社グループにパイオニア
グループのホームAV事業等を統合し、同社の社名をオンキヨー&パイオニア株式
会社とするとともに、他のグループ会社も「オンキヨー&パイオニア」を冠する社
名に変更するなどしてきたのであって、本件商標は、長年にわたっていわば共同ブ
ランドとして利用されていたという取引実態が続いていた。
また、令和3年9月、破産会社が米国のPremium Audio Company LLCとシャー
プ株式会社が出資するオンキヨーテクノロジー株式会社へホームAV事業を譲渡し
たことに伴って、被控訴人と破産会社間の本件使用許諾契約は合意解約されたが、
上記オンキヨーテクノロジー株式会社(あるいはその関連会社)と被控訴人間で新
たな商標使用許諾契約が締結され、この際、破産会社の被控訴人に対する未払のラ
イセンス料全額(約2億8500万円)が上記事業譲渡の代金から、被控訴人に支
払われた。
それにもかかわらず、被控訴人が、形式的に被控訴人と破産会社間の本件使用許
諾契約は合意解約されたという事実のみをもって、通常使用権者であった破産会社
の地位を承継した控訴人が本件使用許諾契約及び本件解約合意に違反して本件在庫
商品を販売することは被控訴人の本件商標権を侵害すると主張することは、信義則
上許されない。
(イ) 本件では、本件解約合意は存在するが、破産管財人による破産財団を換価処
分すべき公的な責務が存在するという場面においては、仮に、本件在庫商品につい
て、占有改定によりライセンサーに対抗するとの主張が認められないとしても、簿
価が約1200万円もあり、控訴人からはロイヤルティ相当額程度の申出をしてお
り、本件解約合意書にはセルオフ期間経過後に廃棄処分義務の定めもなく、仮に換
価処分できないとすると破産財団からの支出によりその廃棄処分を余儀なくされる
こと、商標権者には破産管財人からの申出を拒絶すべき合理的理由が見当たらない
こと等に鑑みると、商標権者による差止請求権の行使は、権利の濫用というべ

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は、控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。