名誉回復措置等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和5(ネ)10104
判決日2024-04-23
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法115条
当事者被控訴人 東宝株式会社/被控訴人 株式会社スクウェア・エニックス被控訴人Y1被控訴人Y2/被控訴人 株式会社白組被控訴人Y3被控訴人Y4

この事件の代理人

  • 河野冬樹(控訴人代理人)/第一東京弁護士会
  • 辻居幸一(被控訴人代理人)
  • 内藤篤(被控訴人代理人)/第一東京弁護士会
  • 澤田直彦(被控訴人代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点及び争点に対する当事者の主張は、次のとおり補正し、後記
3のとおりの当審における控訴人の主な補充主張及び後記4のとおりの当審に
おける控訴人の追加主張及びこれに対する被控訴人スクウェア・エニックスの
反論を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」中、第2の2ないし4(原判
決3頁8行目ないし8頁20行目)に記載のとおりであるから、これを引用す
る。
⑴ 原判決6頁4行目の「契約5条」を「契約第5条」と、同行目の「映画等
の」を「映画等に」と、同頁17行目の「に変えて」を「に変えて主人公の
名称に」と、同頁18行目の「協議をしなった」を「協議をしなかった」と、
同頁18行目及び同頁25行目の各「契約5条」をいずれも「契約第5条」
と、それぞれ改める。
⑵ 原判決7頁5行目の「契約5条」を「契約第5条」と改める。
3 当審における控訴人の主な補充主張
⑴ 争点1(本件名称に著作物性が認められるか)について
原判決は人物の名称は当該人物の特定のための符号であるとして創作性
を認めなかったが、人物や商品の特定のための符号だからといって、創作性
が認められないということにはならない。過去の裁判例にも、商品ロゴとし
て対象の特定のための符号という性質に本件と変わりはないところ、著作物
性が認められないとの判断はされていないものもあり、美的創作性が認めら
れる限りは著作権が認められる余地があることを肯定しているものがある
(東京高裁平成6年(ネ)第1470号同8年1月25日判決、その上告審
である最高裁平成8年(オ)第1022号)。
本件名称は、「ドラゴンクエストシリーズでリュカと言えばほとんど彼の
ことを指す」(甲11)とされていることからも分かるとおり、ファンの間で
は既に他のキャラクターと区別しうるものとなっている。まして、本件にお
いては、キャラクターの名称だけで他のキャラクターと区別しうることを前
提に、名前を呼びかける場面が描写されているのであって、その描写されて
いる場面は、「ドラゴンクエストの主人公を」「リュケイロム・エル・ケル・
グランバニア」と呼びかける場面として、著作物性を判断すべきであり、名
称であるからといって著作物性を認めない理由にはならない。
原判決は、創作性の有無に触れることなく著作物性を否定しており、法令
の解釈適用を誤っている。
⑵ 争点2(被控訴人スクウェア・エニックスは、本件出版契約に基づき、本
件映画を作成するにあたり、控訴人との間で本件名称を使用することにつき
協議する義務に違反したか)について
ア 原判決は人物名に著作権がないことを前提に本件出版契約上の協議義
務を否定しているが、厳密な意味での著作権の有無に関わらず、関連作品
についてその著作者に事前に断りを入れ、場合によって、巻末等で謝辞を
述べるなど、その敬意を示すこ

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴人が当審で追加した請求を棄却する。
3 当審における訴訟費用は、控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。