発信者情報開示請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和6(ネ)10006
判決日2024-07-10
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法5条1項、プロバイダ責任制限法5条1項1号、著作権法2条1項9号、著作権法23条1項
当事者控訴人 有限会社プレステージ/被控訴人 ソフトバンク株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点、争点に関する当事者の主張は、原判決5頁11行目を「被
告は、令和5年4月11日の原審第1回弁論準備手続期日において、原告から
他にも膨大な発信者情報開示請求がされていることなどから、本件各発信者情
報の保有状況の確認が未了である旨主張した。その後、当審口頭弁論終結時で
ある令和6年4月17日までに、被告から本件各発信者情報を保有していない
旨及びその理由について特段の主張はされていない。」と改め、当審における
当事者の主張を後記3のとおり付加するほかは、原判決の「事実及び理由」中、
第2の2及び3並びに第3(原判決2頁9行目から13頁19行目まで)に記
載のとおりであるから、これを引用する。
3 当審における当事者の主張
⑴ 争点1(特定電気通信による情報の流通によって原告の「権利が侵害され
たことが明らかである」〔プロバイダ責任制限法5条1項1号〕か)について
(原告の主張)
送信可能化権が侵害されたというためには送信可能化された対象となる
情報が、表現上の本質的特徴を直接感得することができる著作物のファイル
の一部を構成するピースであれば足り、ピース自体が表現上の本質的特徴を
直接感得できるものである必要はない。このことは、インターネットへの無
断アップロードを防止する送信可能化権を創設して広く権利を保護しようと
した著作権法の趣旨にも沿う。ビットトレントを利用してアップロード行為
をしたピア同士において、ピースの保持率の多寡により共同不法行為の成否
が左右されるのは相当でない。ピース自体に再生可能性は必要ではなく、一
部又は全部のピースを保持しそれを送信可能化状態にしたのであれば、送信
可能化権を侵害したといえる。
(被告の主張)
送信可能化権侵害も著作権侵害の一態様である以上、本件各氏名不詳者が
送信可能化権を侵害したというためには、その保有する当該ピースが本件動
画の表現上の本質的特徴を直接感得することができる容量に達していること
の主張立証を要するところ、本件ではその立証がない。
権利侵害が明白というためには、表現上の本質的特徴を直接感得すること
ができるといえるようなピース保持率が100%か又はそれに近い割合に
達した場合に限られるというべきである。本件各氏名不詳者が管理するピア
が、本件動画を複製して作成された動画ファイルを構成する全ピースの少な
くとも1%以上に相当するピースを保有しているとは認められず、本件動画
の表現上の本質的特徴を直接感得することができる映像を再現できると認
めるには足りない。
⑵ 争点2(本件各発信者情報が「当該権利の侵害に係る発信者情報」〔プロバ
イダ責任制限法5条1項柱書〕に当たるか)について
(原告の主張)
当該権利侵害に係る発信者情報の該当性(プロバイダ責任制限法5条1項
柱書)に関し、UNCHOKE通

主文(判決文より)

1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は、控訴人に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開
示せよ。
3 訴訟費用は、第1、2審を通じて被控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。