特許料納付書却下処分取消請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和6(行コ)10003
判決日2024-09-12
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法112条、特許法112条4項、特許法195条2項
当事者控訴人 株式会社コンピュータ・システム研究所

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点は、本件処分の違法性の有無である。
5 争点に対する当事者の主張
争点に対する当事者の主張は、次のとおり控訴人の当審における補充主張を
付加するほか、原判決「事実及び理由」第2の4(5頁10行目から12頁1
9行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決6
頁6行目、9頁17行目、20行目及び23行目、10頁4行目、7行目、1
1行目、13行目、15行目及び25行目の「改正後特許法附則」をいずれも
「令和3年法律第42号附則」に改める。
〔控訴人の当審における補充主張〕
⑴ 適用法令について
令和3年法律第42号の公布は令和3年5月21日であったが、改正後特
許法112条の2第1項の施行は令和5年4月1日であって、公布から施行
まで約1年10か月もの時間がかかっている。改正後特許法112条の2第
1項は、権利の回復を容易にする規定であるから、国民の利益となるもので
あって、本来一刻も早い施行が求められる類の法律である。
控訴人代理人が生成AIを用いて調査したところ、多くの法律は公布から
3か月ないし6か月以内に施行されており、これを超えるのは約35%程度
にすぎず、平均は約4.5か月という結果であった。したがって、本件でも、
公布からせいぜい4か月半もあれば施行に十分であったと解される。
令和3年法律第42号による改正前の特許法112条の2第1項は、特許
料を追納することができる場合について、それ以前の「特許権者の責めに帰
することができない理由」という基準から「正当な理由」の基準に大きく変
更したものであったが、公布から施行までの期間は10か月もなかった。そ
れに比べ、令和3年法律第42号附則1条5号は、施行まで2年を超えない
範囲とされ、いたずらに無駄な期間をとった極めて不当なものである。
以上のとおり、実際の多くの法律の公布から施行までの期間、令和3年法
律第42号による改正前の特許法112条の2第1項の公布から施行までの
期間、改正後特許法112条の2第1項の適用の必要性などからして、改正
後特許法112条の2第1項は、公布日から4か月半以内に施行すべきであ
った。したがって、令和3年法律第42号附則1条5号は、公布の日から起
算して4か月半を超えた部分につき、十分な合理性を基礎付ける事実を認め
ることができないから、違憲、無効である。
仮に、法律を違憲と認めることが難しいとしても、改正後特許法112条
の2第1項の施行日を令和5年4月1日とした令和4年政令第250号は、
十分な合理性を基礎付ける事実を認めることができず、違憲、無効である。
したがって、本件については、改正後特許法112条の2第1項の規定が
適用される。
⑵ 正当な理由の有無について
仮に、本件において令和3年法律第42号による改正前の特許法112条

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は、控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。