特許料納付書却下処分取消請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和6(行コ)10005
判決日2024-09-12
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文憲法14条、憲法29条2項、憲法31条、特許法112条
当事者控訴人 株式会社コンピュータ・システム研究所

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張
(1) 関連法令の定め、前提事実、争点及び当事者の主張は、以下に当審における当
事者の補充主張を加えるほかは、原判決の事実及び理由の第2の2~4及び第3(原
判決2頁14行目~8頁18行目)に各記載のとおりであるから、これらを引用す
る。ただし、争点2として「旧特許法112条の2第1項の適用の可否」とあるの
を「新特許法112条の2第1項の適用の可否」と改める。
(2) 当審における当事者の補充主張
ア 争点1(旧特許法112条の2第1項の「正当な理由」の有無)について
(控訴人の主張)
(ア) 原判決は、旧特許法112条の2第1項の「正当な理由があるとき」とは、「特
許権者(代理人を含む。)として相当な注意を尽くしていたにもかかわらず、客観的
にみて追納期間内に特許料等を納付することができなかったとき」をいうとした。
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しかし、原判決の解釈によると、納付手続をする原特許権者に「無いこと」の証明を
求めることとなり不当である。「正当な理由があるとき」は、規範的要件として、控
訴人が評価根拠事実を、被控訴人が評価障害事実をそれぞれ主張立証して、総合的
に認定判断されるべきものである。
本件弁理士は、本件特許権などの年金納付や別件の特許出願の審査請求の手数料
につき、一旦金銭を立て替えなければならなかったところ、コロナ禍により副業が
破綻し、それによって鬱病に起因し本業にまで支障が生じていたことから、本件弁
理士にとって、これらの金銭の立替払は極めてハードルが高かった。また、本件弁理
士は双極性鬱病にり患していたと考えられるところ、双極性鬱病では、活動できる
ときとできないときとが繰り返されるし、一見単純な特許料等の計算作業も極端に
困難になるから、本件弁理士が本件追納期間中に別の手続を行った事実があるとし
ても、そのことから直ちに本件追納期間内に本件特許料及び割増特許料(以下、併せ
て「本件特許料等」という。)を納付することができなかったことにつき「正当な理
由」がないとはいえない。
本件弁理士は、本件追納期間中又はその前後において、特許出願についての出願
審査の請求、他の特許料等の納付等、計18件の手続を怠っていた(甲22~39)。
加えて、本件弁理士は、本件追納期間経過後、継続研修義務の一部の履行を怠り、日
本弁理士会会費を滞納して退会処分となった(甲40~42、49)。以上の事実を
総合すると、本件弁理士は、客観的にみて本件追納期間内に本件特許料等を納付す
ることができなかったといえ、原判決の解釈を前提としても、「正当な理由があると
き」に当たる。
(イ) 特許庁長官は、ウェブサイト等において、「手続をすることができなかった
手続の期限の末日が令和5年5月8日(月曜日)以前の場合は、新型コロナウイルス
感染症のまん延の影響

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。