特許料納付書却下処分取消請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和6(行コ)10002
判決日2024-09-25
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法112条、特許法112条1項
当事者控訴人 株式会社コンピュータ・システム研究所

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点についての当事者の主張は、後記3のとおり当審に
おける当事者の補充主張を付加するほかは、原判決「事実及び理由」第2の2
から4まで(原判決2頁14行目から6頁11行目まで)に記載のとおりであ
るから、これを引用する。
3 当審における当事者の補充主張
⑴ 原告の主張
ア 法の適用に関する通則法2条の規定によれば、法律の施行は公布の日か
ら起算して20日を経過した日であるのが原則である。日本の法律の公布
から施行までの平均期間は約4月半である。令和3年改正法は、多くの法
律の例や、改正前特許法の施行までの期間、現実の必要性等を考慮しても、
公布(令和3年5月21日)から施行(令和5年4月1日)までの期間が
長期に過ぎるから、令和3年改正法附則1条5号の定める期間のうち公布
の日から起算して4月半を超える部分は違憲無効であり、同号の規定に基
づく政令である本件施行日政令も同様に違憲無効である。
したがって、本件には現行の特許法112条の2第1項の規定が適用さ
れ、原告に「故意」はないから、特許権の回復は認められるべきである。
イ 仮に、改正前特許法112条の2第1項の規定によることになるとして
も、原告が依頼していた本件弁理士は、新型コロナウィルス感染症の影響
で副業の介護事業が著しく不振となり、うつ病が発症し悪化したのであり、
これにより少なくとも18件の特許について審査請求や年金納付等の手
続をすることができなかった。また、原告が新たな弁理士の選任に1か月
以上を要したのも、新型コロナウィルス感染症の影響によるから、原告に
は同項の「正当な理由」がある。本件処分を取り消すことは、特許庁の新
型コロナウィルス感染症に係る救済判断である「手続をすることができな
かった手続の期限の末日が令和5年5月8日(月曜日)以前の場合は、新
型コロナウィルス感染症のまん延の影響を受けたとは考えにくい場合等
を除き、新型コロナウィルス感染症の影響を受けた旨が記載されている場
合は、救済を認める」こととするにも沿う。
⑵ 被告の主張
ア 改正前特許法112条の2第1項の「正当な理由があるとき」とは、特
許権者(代理人を含む。)として相当な注意を尽くしていたにもかかわらず、
客観的にみて追納期間内に特許料等を納付することができなかったとき
をいうものと解され、その立証責任は原告が負う。
イ 本件では、新型コロナウィルス感染症の拡大により本件弁理士の事業が
不振となり、本件弁理士がうつ病にり患したことの客観的資料はない。こ
の点を措いても、本件弁理士は、本件追納期間当時、弁理士業務を現に行
い活動してきた。そして、原告は、令和4年2月7日頃、本件弁理士の管
理する多数の特許権が特許料等の不納付により消滅していることを認識し、
本件追納期間の末日まで1か月以上の期間があった

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は、控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。