事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(ラ)10001 |
| 判決日 | 2024-10-22 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 決定 |
| 当事者 | 相手方 旭化成ファーマ株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点及び争点についての当事者の主張は、後記3のとおり抗告人 の当審における補充主張を、後記4のとおり抗告人の当審における追加的主張 を、後記5のとおり抗告人の当審における追加的主張に対する相手方の反論を、 それぞれ付加するほか、原決定「理由」第2の2、3及び第3(2頁17行目 から6頁13行目まで)記載のとおりであるから、これを引用する。 なお、本件発明1の構成要件の分説、本件発明13の構成要件の分説、原決 定の認定した乙1発明の構成、原決定の認定した本件発明1と乙1発明の相違 点(相違点1-1、相違点1-2、相違点1-3)は、再掲すると、別紙のと おりである。 3 当審における抗告人の補充主張 ⑴ 乙1発明に基づく本件発明1及び本件発明13(本件発明)の進歩性欠如 の有無(争点2-3、2-5)について ア 相違点1-3の構成の容易想到性 (ア) 乙1発明の薬液としてPTHペプチド含有溶液を適用して酸化防止 を図ることの容易想到性 乙1発明は、無菌状態で凍結乾燥庫へ移送することが必要な凍結乾燥 薬剤を対象とした発明であるところ、PTHペプチド含有凍結乾燥製剤 も、無菌状態で凍結乾燥庫へ移送することが必要な凍結乾燥薬剤である から、当業者は、乙1発明の薬液としてPTHペプチド含有溶液を適用 することを当然に検討し、これにつき阻害要因となるような事情はない。 PTHペプチドは、周囲空気との接触により酸化されやすい化合物で あり、酸化すると生物活性が著しく減少するところ、酸化されやすい医 薬品の製造では、製造工程全体(原薬-剤形-工程-包装)を通じて、 周囲空気との接触抑制を図る必要があること、その具体的な手段として、 周囲空気との接触抑制のために不活性ガス(窒素ガス等)を導入するこ とは、本件特許の優先日前の技術常識であり、現に、これは、医薬品の 有効成分の種類如何にかかわらず、広く採用されてきた一般的な手法で ある(技術水準)。 乙1発明は、薬液を充填したバイアル全体を窒素で覆い、周囲空気と の接触を抑制する客観的な構成を備えたものであるから、乙1発明の薬 液としてPTHペプチド含有溶液を適用して、乙1発明の薬液と周囲空 気との接触抑制の構成を、無菌性維持に加えて、周囲空気との反応抑制 (酸化防止)のために採用することの動機付けは、これらの技術常識及 び技術水準に基づき、十分に認められるものである。 そして、乙1公報には、課題の一つとして、周囲空気との接触による 薬液の反応を抑制することが示されているのであるから、乙1発明に接 した当業者は、乙1発明の溶液として、周囲空気との接触により反応し やすい薬液を適用して、乙1発明の薬液と周囲空気との接触抑制の構成 を、無菌性維持に加えて、周囲空気との反応抑制のために採用すること の動機付けがある。 したがって、乙1発
主文(判決文より)
1 本件抗告を棄却する。 2 抗告費用は、抗告人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。