特許専用実施権侵害差止請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和6(ネ)10045
判決日2024-10-30
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法100条1項
当事者控訴人 エンバイロ・ビジョン株式会社/被控訴人 ABBiT株式会社

この事件の代理人

  • 沼井英明(控訴人代理人)/第一東京弁護士会
  • 横井康真(被控訴人代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
前提事実、争点及び争点に対する当事者の主張は、後記3に当審における当
事者の補充主張を付加するほかは、原判決「事実及び理由」第2の1から3ま
で(原判決2頁9行目から9頁19行目まで)に記載のとおりであるから、こ
れを引用する。
3 当審における当事者の補充主張
争点1(構成要件Dの充足性)について
(原告の主張)
⑴ 本件各発明の目的は「第2の収容槽における廃水処理後の被処理水に含ま
れる残オゾンの低減」を図りつつ、その残オゾンを利用して被処理水の生物
処理を促進する点にある。残オゾンは、水酸基ラジカル及び酸素に化学変化
することにより間接的に生物処理を促進させるという重要な役割を担ってい
るから、第2の収容槽においてオゾンを供給することは被処理水の生物処理
の促進という課題の解決に合致し、本件各発明の第2の収容槽とそれに関す
る構成とも相容れる。
⑵ 第2の収容槽で残オゾンを低減させるための本件各発明の特徴は、担体に
担持された活性炭を用いてオゾンの酸素への化学変化を促進させたことにあ
り、このような化学変化の結果として、オゾンが減少するのである。最終的
に第2の収容槽の放流時に被処理水のオゾン濃度を低減する必要はあるが、
廃水処理中にオゾンが存在することは、むしろ効率的な廃水処理に必要であ
る。
また、第2の収容槽の酸素供給手段の技術的意義は、第2の収容槽の酸素
供給手段が供給するマイクロナノバブルにより、担体の空孔内に担持された
微生物に対して効果的に酸素が供給され、微生物による生物処理を活性化す
ることにあるから、前記マイクロナノバブルは、少なくとも酸素を含むので
あれば足り、酸素以外の気体(窒素やオゾン)を含むことは排除されない。
そして、酸素供給手段は、酸素を含むマイクロナノバブルを放出して循環流
を生成し、第2の収容槽内の被処理水を攪拌するが、これにより、担体の空
孔に集まった残オゾンのマイクロナノバブルが担体に担持された活性炭の作
用によって消滅するとともに、化学反応により水酸基ラジカルと酸素分子が
生成され生物処理が促進される。このような残オゾンの機能を考慮しても、
前記マイクロナノバブルが、酸素以外にオゾンを含むことは排除されない。
⑶ 酸素とオゾンは化学変化を起こすことがなく、独立して生物処理に供され
る分子であるから、本件各発明の構成要件D「該第2の収容槽内に酸素を含
むマイクロナノバブルを供給する酸素供給手段」は、オゾンの含有が排除さ
れる酸素供給手段ではなく、オゾンが積極的に加えられたマイクロナノバブ
ルを供給する供給手段も含むものである。
(被告の主張)
⑴ 本件明細書の記載(段落【0017】等)や本件意見書の記載によれば、
本件各発明は、第2の収容槽において微生物による有機物分解を促進させる

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。