発信者情報開示請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和6(ネ)10052
判決日2024-12-24
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法2条1項9号、著作権法23条1項
当事者控訴人 有限会社プレステージ/被控訴人 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

この事件の代理人

  • 戸田泉(控訴人代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点に関する当事者の主張
1 争点及び争点に関する当事者の主張は、後記2のとおり当審における当事者の
補充主張を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」の第3(原判決3頁24行目
~7頁3行目)に記載のとおりであるから、これを引用する。
2 当審における当事者の補充主張
(1) 争点1(「権利の侵害に係る発信者情報」該当性)についての控訴人の主張
ア 本件各発信者は、本件ソフトウェアとの間でUNCHOKE通信を行った際、
まさに送信可能化状態にあったといえ、控訴人の送信可能化権を侵害している。した
がって、著作権法における送信可能化権侵害についての原判決の法解釈は誤りである。
著作権法23条1項の趣旨は、実際にダウンロードが行われて自動公衆送信権が侵
害されなくても、その前段階である発信者による送信可能化状態を権利侵害と捉え、
著作権者を保護しようとするものである。したがって、原判決のように、著作権法2
条1項9号の5イ又はロの行為によって、送信可能化が実現された後については「送
信可能化」に該当する行為が継続することはないと解することは、送信可能化権の成
立範囲を著しく狭めるものであり、上記趣旨に反する。
また、著作権法2条1項9号の5イ又はロに規定される行為は飽くまでも送信可能
化状態を作出するための開始行為にすぎず、「自動公衆送信し得るようにすること」
という文言からも、送信可能化状態を開始することが該当することはもちろん、その
後の送信可能化状態が維持されることは排除しているものとはいえない。
したがって、著作権法2条1項9号の5イ又はロ所定の行為により、送信可能化状
態になり、それが継続する以上は、送信可能化権侵害も成立すると解するのが相当で
ある。
イ 本件のUNCHOKE通信は、本件各発信者の送信可能化が完了した後、本件
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各発信者から本件ソフトウェアに対しアップロードが可能であることを通知する旨の
通信である。したがって、当該UNCHOKE通信が行われた際、本件各発信者の自
動公衆送信が可能な状態が継続していたのであり、当該UNCHOKE通信は申立人
の送信可能化権の侵害を直接的にもたらされているといえる。
(2) 争点1(「権利の侵害に係る発信者情報」該当性)についての被控訴人の主張
ア 送信可能化とは、著作権法2条1項9号の5イ又はロ所定の行為により「自動
公衆送信し得るようにすること」である。これは公衆からの求めがあれば自動的に著
作物が送信される状態を作り出すことであるから、本件においても各ピアはUNCH
OKE通信時において著作物が送信される状態、すなわち本件動画についてその表現
の本質的特徴を直接感得できる程度に保有している必要がある。
本件では、UNCHOKE通信時において各ピアが本件動画の表現の本質的特徴を
直接感得

主文(判決文より)

1 原判決を次のとおり変更する。
2 被控訴人は、控訴人に対し、別紙発信者情報目録記載
の各情報を開示せよ。
3 控訴人のその余の請求を棄却する。
4 訴訟費用は、第1、2審を通じてこれを100分し、
その1を控訴人の負担とし、その余を被控訴人の負担
とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。