事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和6(ネ)10035
判決日2024-12-25
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法14条、著作権法15条1項、著作権法112条1項

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点(1)イが
中心的に争われている。
【争点】
(1) 本件書籍の著作権の帰属
ア 著作権法14条の適用の有無
イ 職務著作の成否
(2) 被控訴人の故意又は過失の有無
(3) 損害額
(4) 不当利得の成否
3 争点に関する当事者双方の主張は、当審における補充的主張を下記4のと
おり加えるほか、原判決「事実及び理由」の第3の3(3頁~)に記載のと
おりであるから、これを引用する。
4 当審における当事者の補充的主張(争点(1)イ:職務著作の成否)について
(1) 「職務上作成する著作物」について
【控訴人の主張】
ア 本件書籍の作成指示は、本件財団法人の当時の事務局長兼理事であった
A からされたものであり、被控訴人から指示されたものではない。被
控訴人が設置運営する文化服装学院の本件当時の教務部長 B’ (本件
財団法人の理事でもある。以下「 B」という。)は、本件書籍の執筆を
被控訴人の業務として行ってはならないと厳命していたのであり、業務
性を明確に否定している(甲20)。
イ 控訴人は、本件当時、月火金の週3日間、9時から17時まで就業して
おり、週8コマの講義を受け持っていたため、実際上、嘱託講師の業務
として執筆等できるはずがなかった。それにもかかわらず、控訴人は、
本件書籍の9割ほどに当たる200頁近くを自ら執筆し、制作(作図、
レイアウト等)をし、他の制作者の担当部分の原稿や図についても指示
をして、実質的に全部を創作したのであるから、膨大な時間と注意力を
割いてした大仕事であり、これは到底嘱託講師業務としてできたことで
はない。
ウ しかも、控訴人に支払われた本件書籍の執筆の対価(原稿料)は、控訴
人に対する講師給与・手当から明確に区別されていた。控訴人の本件当
時の給与(甲2)は、本俸42万円(令和3年度。平成18年当時はさ
らに少額であった。)程度であり、この他に研究手当4万2000円、賞
与及び通勤手当が支給されたのみである。それにもかかわらず、本件書
籍の執筆に関し、控訴人に対して原稿料名目で本俸額を大きく上回る4
7万1000円を支払われている(甲6)。このような対価の支払は、嘱
託講師業務の対価とは全く別の性質のものと理解せざるを得ないのであ
り、このことからも本件書籍の執筆が被控訴人の職務と無関係であるこ
とが裏付けられる。
【被控訴人の主張】
ア 本件書籍は、本件検定での活用を目的に被控訴人により発案・制作が決
定されたものである。その制作過程において、控訴人は、被控訴人の指
揮命令の下、他の被控訴人職員とともに執筆に関与したのであるから、
本件書籍は被控訴人の「業務に従事する」控訴人が「職務上作成」した
ものである。
控訴人が援用する Bの陳述書(甲20)では、本件書籍の執筆につ
き被控訴人の指示がなかったなどとしてい

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。