事件の基本情報
| 裁判所 | 高松高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(ネ)147 |
| 判決日 | 2024-12-05 |
| 分類 | 行政 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項、憲法9条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張は、後記3のとおり当審における控訴人ら の主張を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」 - 2 - の1から3までに記載のとおりであるから、これを引用する。 3 当審における控訴人らの主張 ⑴ 本件は裁判所による積極的な憲法判断が必要な事案であること 国の一連の行為の出発点となる憲法解釈の変更に明白な違憲性が認められ、 その結果、一旦政府が具体的な行為をとるならば控訴人らを含む多くの国民 に膨大で甚大かつ不可逆的な被害が発生する危険性がある場合には、そうし た結果の発生を確実に予測し得ない場合であっても、予防=事前配慮原則に 則り、国家賠償法1条1項における違法性を認定すべき十分な理由がある。 本件においては、平成26年における政府の憲法解釈変更の結果として、 政府がいかなる場合に自衛権行使を行うかが曖昧模糊とした不確実性を帯び るものとなった。自衛権行使の発動基準全体が漠然性の瑕疵を帯びるに至っ たために結果発生が不確実となった場合には、予防=事前配慮原則に則して、 具体的危険性の発生を待つことなく、出発点となる発動基準の違憲性を正面 から問題とし、新安保法制法のうち当該発動基準を取り込んでいる部分の違 憲性を指摘することで、数多くの国民の生命・財産が深刻な危険にさらされ るリスクを根源から除去し、政治権力の恣意的な運用を阻止するという最低 限の意味での立憲主義を回復することが司法には求められている。 ⑵ 平和的生存権について 日本国憲法制定に至る歴史的経緯、憲法前文第1段の内容、そしてこれを 受けてあえて第3章に先行する第2章に9条を配置した憲法の規定構造を全 て考え合わせれば、日本国憲法における「平和」の意味は明らかであり、か かる意味の「平和」的に生存する権利は、当然に個人の人格的生存に不可欠 である。このように幸福追求権の一内容として捉えられる平和的生存権につ いてその具体的権利性を否定する余地などない。 ⑶ 人格権又は人格的利益について 控訴人らの主張する人格権又は人格的利益、すなわち、①戦後約70年も - 3 - の間、憲法9条の下で平和国家として存立してきた我が国の国民であること の名誉や尊厳、②我が国が戦争の当事者となる危険性あるいは我が国が他国 からの武力攻撃やテロ行為の標的となる危険性に対する不安や恐怖を抱くこ となく平穏な生活を送ること、③控訴人らのうち法研究や法教育を職業とす る者の研究者又は教育者としての憲法の原理や解釈に対する理念は、いずれ も控訴人らの人格的生存に不可欠なものであり、全国各地で本件と同様の集 団訴訟が多数提起されたことからも明らかなとおり、我が国の国民の普遍的 な価値観に基づくものであるから、人格権又は人格的利益として法的保護を 受けるべきものである。 ⑷ 憲法改正
主文(判決文より)
1 控訴人らの本件各控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。