事件の基本情報
| 裁判所 | 仙台高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和2(ネ)123 |
| 判決日 | 2021-01-26 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点の骨子 本件事故による損害について、控訴人が原賠法3条1項に基づき損害賠償責任を 負うことは争いがない。 争点は、避難指示等の対象地域ではない自主的避難等対象区域の住民であった原 告らについて、慰謝料の支払により賠償すべき精神的損害(権利又は法律上保護さ れる利益の侵害)があるといえるか、精神的損害の程度及び慰謝料の額、控訴人が 自主賠償基準に基づく直接請求手続又はADR和解により支払った賠償金が本件で 請求されている慰謝料の弁済として認められる範囲である。 3 争いのない事実 ⑴ 中間指針追補による自主的避難等対象者に対する賠償の指針 原賠法18条1項に基づき設置された原子力損害賠償紛争審査会は、本件事故に よる原子力損害の賠償に関する紛争について、原賠法18条2項2号に基づく「原 子力損害の範囲の判定の指針その他の当該紛争の当事者による自主的な解決に資す る一般的指針」として、平成23年12月6日、「東京電力株式会社福島第一、第 二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針追補(自主 的避難等に係る損害について)」(別紙2)を定めた。 中間指針追補(第1 はじめに)は、避難指示等の対象区域の周辺地域では、避 難指示等に基づかずに行った避難(自主的避難)をした者が相当数存在しているこ とが確認され、自主的避難に至った主な類型としては、①本件事故発生当初の時期 に、自らの置かれている状況について十分な情報がない中で、本件原発の原子炉建 屋において水素爆発が発生したことなどから、大量の放射性物質の放出による放射 線被曝への恐怖や不安を抱き、その危険を回避しようと考えて避難を選択した場合、 及び、②本件事故発生からしばらく経過した後、生活圏内の空間放射線量や放射線 被曝による影響等に関する情報がある程度入手できるようになった状況下で、放射 線被曝への恐怖や不安を抱き、その危険を回避しようと考えて避難を選択しようと した場合が考えられ、同時に当該地域の住民は、そのほとんどが自主的避難をせず にそれまでの住居に滞在し続けており、これら避難をしなかった者が抱き続けたで あろう上記の恐怖や不安も無視することができないと考えられることから、このよ うな自主的避難等(当該地域の住民による自主的避難と滞在を併せたものをいう。) の現状を踏まえて、自主的避難等に係る損害について指針を示したものである。 その上で、中間指針追補(第2 自主的避難等に係る損害について)は、原告ら の居住地を含む地域を「自主的避難等対象区域」とし、当該地域の住民による自主 的避難等に係る損害について、自主的避難等対象者(本件事故発生時に自主的避難 等対象区域内に生活の本拠としての住居があった者をいい、本件事故発生後に当該 住居から自主的避難を行った場合、当該住居に滞在を続けた場
主文(判決文より)
1 原判決中、被控訴人A(番号7)、同B(番号8)、同C(番号31)及び 同D(番号38)に関する部分を次のとおり変更する。 ⑴ 控訴人は、被控訴人A、同B、同C及び同Dに対し、それぞれ24万20 00円及びこれに対する平成23年3月11日から支払済みまで年5分の割 合による金員を支払え。 ⑵ 上記被控訴人らのその余の請求をいずれも棄却する。 2 控訴人のその余の被控訴人らに対する控訴をいずれも棄却する。ただし、原 審原告番号22の原告Eが平成30年7月5日に死亡していたことから、原判 決主文中、同原告に関する部分を次のとおり更正する。 ⑴ 控訴人は、被控訴人F(番号22-1、亡E承継人)に対し、24万20 00円及びこれに対する平成23年3月11日から支払済みまで年5分の割 合による金員を支払え。 ⑵ 被控訴人Fのその余の請求を棄却する。 ⑶ 被控訴人Fと控訴人との間に生じた第1審の訴訟費用は、100分の11 を控訴人の負担とし、その余を同被控訴人の負担とする。 ⑷ 本項⑴は、仮に執行することができる。ただし、控訴人が被控訴人Fに対 し12万円の担保を供するときは、仮執行を免れることができる。 3 訴訟費用は、控訴人と被控訴人A、同B、同C及び同Dとの間においては、 第1、2審を通じ、5分の1を控訴人の負担とし、その余を同被控訴人らの負 担とし、控訴人とその余の被控訴人らとの間においては、控訴費用を控訴人の 負担とする。 4 この判決の第1項⑴は、仮に執行することができる。ただし、控訴人が第1 項⑴の各被控訴人に対し12万円の担保を供するときは、当該被控訴人による 仮執行を免れることができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。