各損害賠償請求控訴・同附帯控訴事件

事件の基本情報

裁判所仙台高等裁判所
事件番号令和3(ネ)165
判決日2023-03-10
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点、争点についての当事者の主張は、
原判決「事実及び理由」第1ないし第4のとおり(以下略称は原判決と同じ。)。
平成23年3月11日、東北地方太平洋沖地震による津波により、福島第一原子
力発電所において、浸水した非常用電源設備が機能を失い、全電源を喪失して、原
子炉を冷却できなくなり、原子炉が炉心溶融を起こし、原子炉建屋が水素爆発し、
大量の放射性物質が大気中に放出されて拡散する事故が発生した。
事故発生の経過と被害、賠償金の支払状況等は、原判決「事実及び理由」第5の
認定事実のうち、1(地震・津波に関する一般的知見等)、2(本件原発の設置許可
と平成11年頃までの地震・津波の知見の状況等)、3(津波評価技術、長期評価の
成立、公表等とそれに対する被告らの対応等)、4(確率論的安全評価、溢水勉強会、
耐震バックチェック(中間報告まで)等)、5(貞観津波の知見状況、本件試算、第
4期津波評価部会等)、6(本件事故の発生状況等)、8(本件事故の推移、いわき
市の被害状況等)、9(本件事故に係る賠償の指針、原告らに対する賠償金の支払状
況等)のとおり。原告らに対する現時点での被告東電による賠償金の支払状況は、
別紙3賠償額一覧表のとおりである。
原告らが事故当時居住していた福島県いわき市では、原発から半径30km圏内
の小川町、川前町、久之浜町及び大久町の一部の住民に対し、平成23年3月15
日午前11時に屋内退避の指示がされたが、同年4月22日午前9時44分、避難
区域の見直しにより屋内退避指示が解除された。原発から半径30km圏外のその
他の地域の住民には、避難指示等はされず、福島市や郡山市などとともに自主的避
難等対象区域として、原賠審の中間指針に基づき被告東電による賠償がされている。
本件原発といわき市の位置関係及び避難指示区域等は、別紙4のとおりである。
2 被告東電による賠償金の支払
⑴ 自主的避難等対象区域
① 別紙3賠償額一覧表①の包括慰謝料 一般大人8万円、子供・妊婦40万円
本件事故発生当時に、いわき市を含む自主的避難等対象区域に生活の本拠として
の住居があった者について、放射線被爆への恐怖や不安、これに伴う行動の自由の
制限等により正常な日常生活の維持・継続が相当程度阻害されたために生じた精神
的苦痛に対する賠償として、18歳以下の子供(平成4年3月12日から平成23
年12月31日までに出生した者)と妊婦(平成23年3月11日から同年12月
31日までの間に妊娠していた期間がある者)に対しては、平成23年3月11日
の本件事故発生から平成23年12月31日までの間に発生した損害に対する定額
賠償として40万円を支払い、その他の一般大人に対しては、平成23年3月11
日から平成23年4月22日までの間に発生した損害に対する定額賠償として8万

主文(判決文より)

1 原判決中、控訴人又は附帯控訴人である原告らの被告東京電力ホールディ
ングス株式会社に関する請求を棄却した部分を次のとおり変更する。
2 被告東京電力ホールディングス株式会社は、別紙2認容額一覧表の追加認
容額欄に金額を記載した原告らに対し、原審認容額のほかに、前記追加認容
額欄記載の各金員及びこれに対する平成23年3月11日から支払済みまで
年5分の割合による金員を支払え。
3 第1項の原告らの被告東京電力ホールディングス株式会社に対する当審に
おける変更後の請求のうち、前項の原告らの主位的請求とその余の予備的請
求、その余の原告らの主位的請求と予備的請求をいずれも棄却する。
4 原判決中、被告国の敗訴部分を取り消し、被控訴人である原告らの被告国
に対する請求をいずれも棄却する。
5 第1項の原告らの被告国に対する控訴又は附帯控訴、被告東京電力ホール
ディングス株式会社の控訴をいずれも棄却する。
6 訴訟費用は、第2項の原告らと被告東京電力ホールディングス株式会社と
の間では、第1、2審を通じて5分の1を同被告の負担、その余を原告らの
負担、その余の原告らと同被告との間では、原告らの控訴又は附帯控訴費用
を原告らの負担、同被告の控訴費用を同被告の負担とし、第4項の原告らと
被告国との間では第1、2審とも原告らの負担とする。
7 本判決主文2項は、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。