強盗致死、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件

事件の基本情報

裁判所仙台高等裁判所
事件番号令和5(う)158
判決日2024-05-23
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点整理の結果として、被告人が持っていた包丁が被害者に刺さって、被
害者は原判示の傷害を負い、その傷害に基づき死亡したことは争いがない事実
とされ、被告人が包丁を被害者に刺したかどうかは争点とされていなかった。)。
そして、その理由について、事実認定の補足説明の項のうち、争点②の被害者
死亡の結果と強盗との密接関連性(強盗の機会性の有無)の説示としては、被
害者が致命傷となった左腋窩動静脈切断の傷害(以下「本件傷害」という。)
を負ったのが、被害者が(被告人に)タックルした際であるか被告人ともみ合
いになった際であるか特定することはできないと説示する一方で、量刑の理由
の項においては、被告人は、殺傷能力の高い包丁を手に持ち、被害者にタック
ルされたり被害者ともみ合いになった際にも包丁を離さなかった上、包丁の刃
先を被害者の顔面付近に突き付けたと認定した上で、これら被告人の一連の行
為は、容易に被害者の生命を奪う結果になりかねない、非常に危険な犯行態様
であると指摘し、被告人は包丁の刃先を被害者に意図的に向けていたわけでは
ない旨の原審弁護人の主張に対しては、そもそも包丁を用いなければ、タック
ルを受けた際のとっさの反応等により包丁の刃先が被害者に向いたりする事態
にならなかったのであるから、意図的に刃先を向けていないからといって、犯
行態様に対する上記評価が変わるものではないとし、かえって、そのような状
態で包丁を持ち続けていたことからは、被害者の左脇下に包丁が刺さった行為
は、罪となるべき事実で認定したように「刺した」と評価されるものである旨
説示した(なお、原判決は、その認定した罪となるべき事実の記載ぶりから、
被告人が「刺した」行為を強盗の手段としての暴行・脅迫の一部としているも
のではないと理解できる。)。
3 当裁判所の判断
⑴ しかし、被告人が被害者を包丁で刺したとする原判決の認定は、論理則、
経験則等に照らして不合理といわざるを得ず、是認することができない。以
下、そのように判断した理由を説明する。
⑵ 前提事実
被告人の原審公判供述その他関係証拠によれば、本件の事実経過として、
以下の事実が認められる。
ア 被告人は、経済的に困窮して強盗を行うことを決意し、被害者方のイン
ターフォンを鳴らし、被害者が出てきた時点で包丁を見せ付け、ひるんだ
被害者の手足をガムテープで縛った上でキャッシュカードの暗証番号を聞
き出し、金融機関から現金を引き出すという強盗の計画を立てたが、包丁
を犯行に使用することから、被害者が死亡するおそれがあり得ると認識し
ていた。本件当日、被告人は、犯行に使用する包丁やガムテープ等を購入
して被害者方に赴いた。
イ 被告人は、被害者方のインターフォンを鳴らしたものの、おじけづき、
しばらくした後、再びインターフォンを鳴らし、

主文(判決文より)

原判決を破棄する。
被告人を懲役28年に処する。
原審における未決勾留日数中210日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。