業務上過失致死傷被告事件

事件の基本情報

裁判所仙台高等裁判所
事件番号令和5(う)68
判決日2024-12-16
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点である被告人
の過失の有無について、大要、以下のとおり説示して被告人に過失を認めた。
1 原判決の認定事実(なお、別紙図面はいずれも当審における事実取調べの結
果に基づくもの(当審検33)であるが、位置関係の検討の便宜のため、原判
決の認定事実との関係でも必要な限りで記載をした。)
(1) 猪苗代湖西部に位置する中田浜湾の状況等
ア 本件事故が発生した猪苗代湖西部に位置する中田浜湾は、東側、南側及
び西側が陸地に囲まれた地形である。湾内西側には西側と北側の陸地と東
側の岬に囲まれた入り江があり、入り江内には中田浜マリーナが管理する
桟橋(以下「本件桟橋」という。)が設置され、船舶の発着に用いられて
いた。本件事故当時、前記岬の東側には、特殊小型船舶免許試験に使用す
るブイ12個が6個ずつ東西2列(以下、これらのブイの列を「本件ブイ
列」という。)に設置されていた。
イ 本件事故当時、猪苗代湖では、猪苗代湖水面利活用基本計画に基づき、
水面利活用に係るゾーニング計画が策定されていた。当該ゾーニング計画
は、各区域の目安を示すためのものであり、明確な線引きの上で区分けさ
れたものではないが、中田浜のある湖西(会津若松)エリアのゾーニング
計画によれば、中田浜の西側岬から約150m以内の区域は、船舶の航行
及び遊泳が禁止される船舶航行禁止区域とされ、150m以遠の区域は遊
泳が禁止される船舶航行区域とされている。
当該ゾーニング計画に関する周知活動は、水面利用関係の各種団体に委
ねられていたが、本件事故当時、中田浜周辺には、当該ゾーニング計画の
周知を目的とした看板等は設置されていなかった。
(2) 本件当日の天候及び中田浜湾内の状況等
本件事故が発生した時間帯には、中田浜周辺は晴れており、猪苗代観測所
における平均風速は秒速3.7ないし4.6mであった。本件事故当時、中
田浜湾内では、被告人及びその知人の船舶や、A船の周囲を航行していた複
数の水上バイクのほか、複数の水上バイクやトーイングボートが航行してい
た。
(3) A船の形状等
ア A船は、長さ10.77m、総トン数6.6tで、二基の推進器に取り
付けられたプロペラが回転することによって推進する船舶である。9名が
乗船した場合の制動距離は、時速10kmでは約8.442mであり、時
速15kmでは約14.173mである。
イ A船と同種のプレジャーボートは、増速の過程において船首部が持ち上
がって(以下、この現象を「ハンプ」ということがある。)死角が生じる
ため、一時的に操縦者から見た船首方の見通しが悪化するが、更に増速す
るのに伴って船首部が下降し、船首方の見通しが良くなるという性質を有
する。A船の操縦席から最も死角が大きくなる方向は、正船首方の見通し
線から左舷方約4.6度の方向であり、停止

主文(判決文より)

原判決を破棄する。
被告人は無罪。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。