強盗殺人

事件の基本情報

裁判所仙台高等裁判所
事件番号令和6(う)149
判決日2025-06-26
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点は、被告人が、被害者を殺害する際に、同人から金品を
奪おうと考えていたかであるとされていた。
なお、原判決は、被告人が、原審において、3000円の借金返済のために被害
者方を訪れたところ、被害者が玄関先の廊下で血を流して倒れてうめいていた、被
害者の背中をさするなどしていたら、物音と一緒に人影のようなものが横切り、そ
れと同時に被害者の身体が大きくけいれんしたため、人影に襲われると思ってパニ
ックになり、気が付くと被害者の後頭部に所持していたネイルハンマーがめり込ん
でいて、自分が被害者の後頭部をネイルハンマーで数回殴打したことが分かった、
その後、被害者を襲った犯人を探すために被害者方を歩き回った、自分は被害者方
の物色はしていないなどと供述していることに鑑み、被告人に殺意が認められるか
についても併せて検討した。
原判決は、概要以下のとおり説示して、本件について強盗殺人罪の成立を認めた。
⑴ まず、被告人が被害者方に到着する前に、第三者が被害者を殴打して被害者
方を物色した可能性について検討する。
①被害者方から約270mの距離に位置するショッピングセンター等付近に設
置された防犯カメラ映像によれば、第三者が被害者方を訪れて被害者を殴打等する
ことが可能な時間は、被害者の生存が最後に確認された令和5年2月3日午後0時
2分頃から、被告人が被害者方方向から同ショッピングセンター付近に戻ってきた
同日午後1時18分頃までの最大約1時間16分の間で、かつ、同日午後1時4分
頃に同ショッピングセンター駐車場から被害者方方向に歩いていった被告人が被害
者方に到着する前、ということになるが、このような短時間に、被告人以外の第三
者が被害者方を訪れて被害者を殴打等するということ自体、容易には想定できない。
②被害者の解剖結果によれば、その頭部には11個の挫裂創があり、これらはいず
れも被告人が所持していたネイルハンマーの釘打ち部が凶器と考えて矛盾しないと
されているところ、被害者方を訪れた第三者が、被告人が所持していたネイルハン
マーと類似した凶器を用いて被害者の頭部を殴打したという事態が起こる可能性は、
極めて低い。③被害者方に残された遺留足跡の多くは、被告人が当時履いていた靴
と形態及び寸法が一致しており、被告人のものと認められるが、仮に第三者が被害
者方を物色したのであれば、被害者方には、被告人以外の者の遺留足跡が多く残る
ものと考えられる。
④以上を踏まえると、被告人が被害者方に到着する前に、第三者が被害者を殴打
し被害者方を物色していたとは到底考えられず、被害者の頭部を殴打し、被害者方
を物色した人物は、被告人のみであることが強く推認される。
⑵ ⑤そうすると、被告人は、防犯カメラ映像で確認できる同日午後1時4分頃
から18分頃までの最大約14分間という

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。
当審における未決勾留日数中20日を原判決の刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。