事件の基本情報
| 裁判所 | 札幌高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成23(ネ)300 |
| 判決日 | 2012-09-21 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び争点に関する当事者の主張は,次のとおりである。 (1) 争点①(本件退避指示の時点において,事業所長は,なお樋門操作員を現場 に留まらせて樋門の操作を行わせるべき義務を負っていたか否か) (被控訴人らの主張) そもそも,事業所長は,住民を水害の被害から守ることを第一に考えるべき立場 にあり,逆流が発生するか,又は樋門操作員に危険が生じる直近まで,逆流の有無 を監視させ,逆流が始まるまでは樋門を開いたままにすることによって内水を可能 な限り本川に流し,また,逆流が始まったときには樋門を閉じることができる態勢 を維持し,被害の軽減を図るべきであった。このことは,樋門操作員が近隣住民で あっても変わるところがない。したがって,事業所長は,差し迫った危険(人事院 規則10-4第29条参照)が生じない限りは,本件3樋門の樋門操作員を樋門の 操作に従事させる義務があり,具体的には,本件では,外水位の急激な上昇が予測 される時点,すなわち,ただし書き操作による放流水が本件3樋門付近に到達する と考えられる同操作開始から1時間後の時点(10日午前2時27分)ないし1時 間30分後の時点(午前2時57分)まで,樋門操作員を本件3樋門に留まらせる 義務があったというべきである。そして,実際にこのころまで樋門操作員が本件3 樋門に留まっていれば,逆流の発生を確認して樋門を閉扉し,外水の堤防内への流 入を防ぐことが可能であった。 これに対し,控訴人は,樋門操作員に対する危険が急迫していたことから,10 日午前1時5分の時点で退避させざるを得なかったと主張するが,この時点で沙流 川の外水位(富川観測所の測定値をいう。以下,水位は特に断らない限り同観測所 のものをいう。)は危険水位(6.30メートル)を超過していたものの,計画高 - 4 - 水位(7.06メートル)までは余裕があったから,富川北地区において破堤等に よる河川の氾濫が惹起する洪水等の具体的現実的危険は発生していなかった。この 点について,控訴人は,浸水想定区域図(乙94)を提出するが,浸水想定区域図 は,周辺住民の避難に関する検討のために作成されるものであり(甲170),樋 門操作員の退避とはその趣旨,対象を異にする上,控訴人が上記浸水想定区域図に つき浸水想定区域図作成マニュアル(甲170)所定の前提条件を明らかにしない ことからすれば,同浸水想定区域図から控訴人の主張する具体的現実的危険の発生 を認めることはできない。同浸水想定区域図によれば,本件洪水当時,平取樋門付 近でも本件3樋門と同等又はそれ以上の危険が存在したにもかかわらず,平取樋門 操作員に対する退避指示が出ていないことも,このことを裏付けている。 このほかに,控訴人は,意見書(乙117)を提出するが,同意見書は,室蘭開 発建設部治水課による当時の
主文(判決文より)
1 本件控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。