公契約関係競売入札妨害

事件の基本情報

裁判所札幌高等裁判所
事件番号令和6(う)93
判決日2025-01-28
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文刑法96条

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点は、刑法96条の6第1項該当性に関し、①医療
センターが「公の」入札等実施主体に該当するかどうか、②本件企画競争は
同法所定の「入札」及び「契約を締結するためのもの」に、原判示の企画提
案書の再提出が「公正を害すべき行為」に、それぞれ該当するかどうか、さ
らに、③被告人Cに関し、故意及び共謀が認められるかどうかとされた。原
判決は、争点①について、医療センターが「公の」入札等実施主体に該当し、
争点②について、本件企画競争が同法所定の「入札」及び「契約を締結する
ためのもの」に、原判示の企画提案書の再提出が「公正を害すべき行為」に、
それぞれ該当するとした上で、争点③について、被告人Cに故意及び共謀が
認められると判断し、被告人両名を有罪と判断している。以下、争点①及び
②に関する原判決の判断の概要を適宜表現を補正しつつ示す。
2 本件企画競争及び被告人らの行為の刑法96条の6第1項該当性
⑴ 前提事実(以下の日付は、特段の記載がない限り、令和2年のもので
ある。)
ア Aは、被告人Bから敷地内薬局について説明を受けたことを契機にそ
の開設に強い魅力を感じ、過去の実績があって経営状態も安定しており、被
告人Bらの対応も信頼できるGに敷地内薬局の開設を依頼すれば、医療セン
ターにとっても有益であると考えた。Aは、病院内で敷地内薬局の利点を重
ねて説明した。病院長らが出席し医療センターの運営に係る重要事項を決定
する場である管理者会議における質疑応答において、参加者から、「こうな
んの杜」と呼ばれる緑化スペースを薬局開設候補地の1つとして挙げること
への懸念、薬局内に福利厚生スペース等を設けるといった要望等が示された。
Aは、Gとの打合せの中でこれらの要望等に対応できることを聞いていたた
め、薬局側はこれらの要望等を実現できると言っているなどと伝えた。最終
的に、管理者会議における賛成が得られ、本件事業の実施が決定した。事業
者の選定は公募型企画競争の方式によることとされ、病院長やAら7名を委
員とした敷地内保険調剤薬局選定委員会が設置された。
イ 他方、Aは、管理者会議と並行してGとのみ打合せを行い、こうなん
の杜移設や福利厚生スペース等の設置が要望されていることを伝え、Gから
薬局2階に福利厚生等のスペースを設けるなどの提案を受けていた。また、
部下であるIに、Hらと連絡を取り合って本件企画競争の準備をするよう指
示し、Iを通じ、Gに対し、こうなんの杜に敷地内薬局を開設した場合の緑
化率や専門家による想定賃料の調査、他の病院で行われた企画競争の公募要
領の収集等を依頼した。AとIは、Gから入手した公募要領等に基づき、本
件企画競争の公募要領(以下「本件公募要領」という。)を作成するととも
に、不動産鑑定によって算出された月額賃借料をもとに予定価格を

主文(判決文より)

原判決を破棄する。
被告人両名は無罪。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。