過失運転致死

事件の基本情報

裁判所札幌高等裁判所
事件番号令和6(う)68
判決日2025-03-18
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点に対する原判
決の結論的判断
原審において、検察官は、当初、被告人車両が時速約45キロメートルで
進行していたことを前提に、本件道路は夜間のため見通しが悪かったのであ
るから、前照灯を上向きにするか、前照灯を下向きにして走行する場合は、
その照射距離に応じて適宜減速した上、前方左右を注視し、進路の安全を確
認しながら進行すべき注意義務があるのに、被告人はこれを怠った旨主張し
ていた(旧訴因)。その後、検察官請求のE鑑定に依拠して訴因変更がされ、
被告人車両が時速60ないし65キロメートルで進行していたことを前提に、
上記注意義務違反に加えて、被告人が本件道路の指定最高速度(時速50キ
ロメートル)を遵守する義務も怠った旨主張するに至った(新訴因)。
これに対し、原審弁護人は、本件は夜間の非常に暗い車道において、運転
者から見えにくい服装をした被害者が被告人車両の前に突然現れたために起
きた事故であり、被告人は、被害者と衝突することは予見できなかったし、
衝突結果を回避することもできなかったとして、過失がなかった旨主張した。
そして、被告人車両が時速60ないし65キロメートルで進行していたこと
を争うほか、被害者は自殺を企図して被告人車両の前に現れたとの合理的な
疑いがあるので、被告人に過失はないばかりか、被告人の運転行為と死亡結
果との因果関係も認められないし、実質的違法性も認められない旨主張した。
なお、原判示のとおり、本件道路には、街路灯に照らされて視認性の良い
場所と暗くて視認性の悪い場所があるため、衝突地点がどこかによって被告
人車両から被害者を見つけることができた位置(視認可能地点)が大きく異
なりうるから、本件において過失の有無を判断するためには、衝突地点の特
定が重要である。この点に関して、検察官は、当初(旧訴因)は、本件事故
直後に実施された実況見分の結果(原審甲1)に基づいて、被害者の血痕が
残っていた地点(被害者転倒地点)から約12.1メートル手前の地点(原
審甲1記載の○地点(以下、単に「×地点」ということがある。)。原審検
×
証調書記載の○地点(以下、単に「A地点」ということがある。))が衝突
A
地点であると主張していたが、その後、E鑑定を受け、新訴因では、被害者
転倒地点から約40.3ないし46.1メートル手前(原審検証調書記載の
○地点。以下、単に「C地点」ということがある。)が衝突地点であると主
C
張するに至った。原審弁護人は、被害者衝突地点がA地点であることについ
ては格別争っていなかったが、これをC地点とする新訴因における検察官主
張については争っていた。
以上のとおり、原審段階では、検察官が主張する過失の前提として、(被
告人の予見可能性ないし結果回避可能性に関連して)①衝突時の被告人車両
の速度、②被告

主文(判決文より)

原判決を破棄する。
被告人は無罪。

出典

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