事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(行ケ)10147 |
| 判決日 | 2025-06-26 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法29条、特許法184条 |
| 当事者 | 原告 ツールゲンインコーポレイテッド |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争 点は、本件審決が、特許権者の優先権主張を認め、拡大先願の無効理由を排斥 したことについての認定判断の誤りの有無である。 2 特許庁における手続の経緯等 ⑴ 被告らは、本件特許の特許権者である。 本件特許に係る特許出願(特願2018-97369号)は、平成25年 3月15日を国際出願日とする特許協力条約(PCT)による国際特許出願 (特願2015-514015号)の一部を分割し、平成30年5月21日 に新たな特許出願としたものである(パリ条約による優先権主張 ①平成2 4年5月25日米国〔第1優先基礎出願〕、②同年10月19日米国〔以下 「第2優先基礎出願」という。〕、③平成25年1月28日米国〔以下「第 3優先基礎出願」という。〕、④同年2月15日米国)。 ⑵ 原告は、令和4年2月25日、被告らを被請求人として、本件発明につい ての特許を無効とする旨の無効審判請求をし、特許庁は、これを無効202 2-800017号事件として審理した。 ⑶ 特許庁は、令和5年8月30日付けで無効審判請求は成り立たない旨の本 件審決をし、その謄本は、同年9月7日原告に送達された。 ⑷ 原告は、令和5年12月28日、本件審決の取消しを求めて訴えを提起し た。 3 特許請求の範囲の記載等 本件発明に係る特許請求の範囲請求項の記載は、別紙「特許請求の範囲の記 載」のとおりである。 4 本件審決の理由の要旨 ⑴ 本件発明の優先日 ア 原告は、本件発明における、真核細胞中でのCRISPR/Cas9システムによ る標的遺伝子の切断は、第1出願書類及び第2優先基礎出願の出願書類に は記載されていないから、本件特許は、第1優先基礎出願及び第2優先基 礎出願に基づく優先権主張の利益を享受することはできず、第3優先基礎 出願の出願日である平成25年1月28日に出願したものとみなすべきで あると主張する。 イ しかし、第1出願書類(甲3)は、部位特異的DNAヌクレアーゼを操 作するための2つの主要な技術に代わり得る新しい技術として、部位特異 的修飾ポリペプチド及びDNA標的化RNAを含む複合体を提供すること に主眼を置いたものであり、当該複合体の製造方法に加え、当該複合体が 標的DNAを部位特異的に切断することも具体的データに基づき開示して いる。また、第1出願書類は、部位特異的修飾ポリペプチド及びDNA標 的化RNAを含む複合体が、インビトロの細胞だけでなくインビボの細胞 (例えば、真核細胞)内の標的DNAにも適用できることを開示しており、 その適用の有用性とともに、その適用が当業者にとって周知の技術的手段 を用いることで具現化することができることを開示しているといえる。し たがって、優先基礎発明を、植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物等 の真核細胞内の標的DNAに適用することは、第1出願書
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、原告の負担とする。 3 この判決に対する上告及び上告受理の申立てのための付加期間を3 0日と定める。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。