事件の基本情報
| 裁判所 | 広島高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成22(ネ)536 |
| 判決日 | 2011-10-28 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項、憲法13条、憲法15条1項、憲法21条1項、憲法29条、憲法94条、憲法94条2項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及びこれに対する当事者の主張 当審において,控訴人及び被控訴人が次のとおり主張を追加・補充したほか,原 判決「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の2及び3に記載のとおり(ただ し,原判決8頁9行目の「アないしエ」を「(ア)ないし(エ)」と訂正し,原判決13 頁23行目から同20頁7行目までの「憲法94条2項」を「憲法94条」と訂正 する。)であるから,これを引用する。 (控訴人の主張) (1) 地方自治法92条の2の趣旨(条例制定権の範囲)について ア 地方自治法92条の2は,普通地方公共団体における公正な職務の執行と議 会の公正な運営を確保する趣旨から,その議会の議員の兼職禁止に関する原則規定 である同法92条を拡張し,議員が当該地方公共団体と請負関係に立つことを具体 的に禁止する。すなわち,「普通地方公共団体の議員は,当該普通地方公共団体に 対し,請負をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人の無限責任 社員,取締役,執行社員若しくは監査役若しくはこれに準ずべき者,支配人及び清 算人たることができない。」と明確に規定した。この規定は,議員の私企業との兼 業禁止は,これらの者に限る趣旨である。 地方自治法は,議員と私企業との関係を,同法92条の2の規定を超えて条例で 規制することを許さない。本件倫理条例4条は,同法92条の2を超えて規制する ものであるから,同条項に違反する。 イ 地方自治法92条の2が列挙する取締役等は,まさに経営に実質的に関与す る者である。議員の立場と経営者の立場の併存から,癒着等の弊害のおそれが類型 的に高い場合といえる。 一方,本件倫理条例4条は,単に議員の2親等以内の親族が経営する企業を規制 の対象とし(同条のこの規制部分を「2親等規制」ということがある。),経営に 実質的に関与していることを要件としていない。議員が請負企業の2親等以内の親 族であることから,直ちに議員としての公正な職務執行が妨げられるものではない。 通常,2親等とは,兄弟姉妹が想定されるが,経験則上,兄弟姉妹は,成人すると 他の兄弟姉妹と別れて独立して活動することが多く,兄弟姉妹の誰かが議員になっ たとしても,そのことが他の兄弟姉妹の企業活動と直ちに結び付くおそれはない。 府中市において,これまで,議員の親族が経営する企業において,当該議員から有 利な取扱いを受けたり,便宜を図ってもらったりしたような疑惑が生じたことはな い。 議員の2親等以内の親族が経営する企業と府中市との間で請負契約等が締結され ることにより,議会運営の公正,事務執行の適正が害される危険性が類型的に高い とはいえない。地方自治法92条の2は,2親等規制のようないわゆる上乗せ規制 を認めていない。 (2) 本件倫理条例4条の憲法適合性(議員の政治活動の自由及び企業の経済活
主文(判決文より)
1 原判決を次のとおり変更する。 (1) 被控訴人は,控訴人に対し,33万円及びこれ に対する平成21年5月1日から支払済みまで 年5分の割合による金員を支払え。 (2) 控訴人のその余の請求を棄却する。 2 訴訟費用は,第1,2審を通じて,これを20分 し,その19を控訴人の負担とし,その余は被控 訴人の負担とする。 3 この判決は,1項(1)について仮に執行することが できる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。