法人税並びに消費税の更正処分等取消請求控訴事件(原審・広島地方裁判所平成22年(行ウ)第30号)

事件の基本情報

裁判所広島高等裁判所
事件番号平成25(行コ)12
判決日2014-01-29
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 控訴人は,法人税及び消費税等の課税標準等又は税額等の計算の基礎と
なるべき事実の全部又は一部を仮装したか(通則法68条1項該当の有無)
(2) 控訴人は,偽りその他不正の行為によりその全部又は一部の税額を免れ
たか(通則法70条5項適用の可否)
(3) 本件各処分の適法性
4 争点に関する当事者の主張
(1) 争点(1)(控訴人は,法人税及び消費税等の課税標準等又は税額等の計算
の基礎となるべき事実の全部又は一部を仮装したか)について
(被控訴人)
原判決11頁18行目から,14頁20行目までのとおりであるから,こ
れを引用する。
(控訴人)
ア 通則法68条1項は,同項所定の国税の課税標準等又は税額等の計算の
基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし,又は仮装する行為(以
下,単に「仮装行為」という。)の主体を「納税者」と限定しており,こ
れを安易に拡大することは許されない。同項の合理的解釈としては,仮装
行為を行った者が,本人の代理人,補助者等の立場にある者で,納税者本
人の身代わりたる地位にある者,会社の場合でいえば,実質的に代表者に
準ずるとみられる相当な権限を有する者である場合に限って,納税者自身
の行為と同視し得るというべきである。
A元常務は控訴人の取締役ではあるが,代表権がないことはもちろん,
実質的にはC支店長としての権限しか有しておらず,控訴人の本社におい
ては,ナンバー2であるD専務が指揮命令を発していたから,A元常務
は,本件において実質的に代表者に準ずる地位にあったとはいえない。
イ 納税者の家族や従業員等が本人のために仮装行為を行ったような場合,
すなわち利害関係を同一にする集団に属する者の行為については,納税者
本人の知不知にかかわらず,本人の行為と同一視できるとの見解もある
が,A元常務は,E社長の実弟であるものの,自らの私的利益を図るため
に本件架空取引を行ったものであって,上記見解を前提としても,A元常
務の行為を控訴人の行為と同視することはできない。
本件のような場合,納税者本人(E社長)がその仮装行為に通謀加担
し,又は少なくとも事情を知っていることが必要であると解すべきであ
る。
本件においては,以下のとおり,本件架空取引は,徹頭徹尾A元常務が
独断で行っていたものであり,E社長は全く事実を知らず,架空取引の事
実について悪意も重過失もなかった上,A元常務に対する監督義務の懈怠
も認められない。

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は,控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。