事件の基本情報
| 裁判所 | 広島高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(ネ)108 |
| 判決日 | 2018-09-26 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項、民法724条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び争点に対する当事者の主張 (1) 次のとおり,当審における当事者の主張を加えるほかは,原判決「事実及び 理由」第2の3記載のとおりであるから,これを引用する。 (2) 当審における控訴人らの主張 ア 法制審議会における平成29年法律第44号による改正民法の審議過程 では,民法724条後段の期間制限を除斥期間と解することは不合理である との見解を総意として審議が進められ,民法724条後段を除斥期間の定め とする誤った解釈に再び陥ることを防ぐため,現行民法724条の「同様と する。」の文言を,「時効によって消滅する。」との文言に改めるべきであ るとの意見をもって法務大臣に答申した。これは,現行民法724条の規律 そのものを改めたものではなく,同条後段が除斥期間の定めであるという不 合理な解釈を採る余地がないよう文言を改めたものであり,現行民法724 条後段が消滅時効の規定であることを前提とするものである。 改正民法附則35条1項は,改正民法の施行の際に,既に現行民法724 条後段の期間が経過しているものについては,改正民法724条の適用がな く,従前の例によると定めるが,これは,そのような場合に現行民法が適用 されることを示すにとどまり,現行民法724条後段を除斥期間と解した判 例法理が適用されると定めるものではない。したがって,同附則を根拠に, 現行民法724条後段を除斥期間の規定であると反対解釈することは許さ れない。 イ 最高裁平成19年11月1日第一小法廷判決以前に,日本に居住地もな く,日本語を使うこともできない控訴人らが,自らの国籍国でない日本の政 府を相手方として訴訟を提起し,政府が発した通達の違法性を主張して被控 訴人の責任を争うことなど不可能であったから,本件において民法724条 後段の規定を適用することは著しく正義・公平の理念に反する。 (3) 当審における被控訴人の主張 ア 改正民法附則35条1項により,改正民法の施行日前に現行民法724条 後段の期間が既に経過している場合については,改正民法ではなく現行民法 724条後段の規定が適用され,かつ,その解釈は司法に委ねられているこ とは明らかである。そして,現行民法724条後段に規定する期間の解釈に ついては,法律関係の速やかな確定のために期間の経過により画一的に権利 が消滅するという除斥期間を定めたものであると解するのが確立した判例 理論である。 イ 控訴人らの主張は,控訴人らが提訴しなかった主観的事情を述べるものに すぎず,これらの事情をもってしては,控訴人らが除斥期間経過前に本件訴 えを提起することが客観的に不可能であったとは到底認められない。
主文(判決文より)
1 本件控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。