事件の基本情報
| 裁判所 | 広島高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和1(ネ)365 |
| 判決日 | 2020-09-16 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項、憲法14条1項、所得税法83条、民法750条、民法900条、相続税法19条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張 ⑴ 本件各規定が憲法14条1項に違反するか否か (控訴人の主張) 本件各規定は,以下にみるとおり,信条又はそれに準ずる事項に基づく差 別的取扱いであり,それに伴って生じる不利益が重大であるにもかかわらず, そのような差別的な取扱いを正当化するに足りる合理的な根拠が存在しない から,憲法14条1項に違反し,違憲である。 ア 本件各規定は,構造上も文言上も夫婦別氏での婚姻を希望する信念ない し信条を基準として法律婚の成否を区別しており,その構造上,差別的取 り扱いをしていることは明らかである。すなわち,民法750条は,「婚 姻の際に定める」ところに従って「夫又は妻の氏を称する」旨を定め,戸 籍法74条1号は,その文言上,「夫婦が称する氏」を婚姻届の必要的記 載事項と定めていることから,これらの規定が相まって,夫婦同氏が婚姻 の要件(形式的成立要件)に転化しており,その結果,「夫婦が称する氏」 を「婚姻の際に定める」ことができない者,すなわち,夫婦別氏を希望す る考え方を有する者は法律婚の効果を享受することができない一方,これ を定めることができる者は婚姻が許されるのであって,両者は,本件各規 定の文言上,法的に区別して取り扱われている。 氏は,人が個人として尊重される基礎であり,その個人の人格の象徴で あって,人格権の一内容を構成するものであるから,夫婦が,婚姻後も別 氏を称するか,一方の氏を変更して同氏を称するかは,夫婦としてのあり 方を含む個人としての生き方に関する自己決定に委ねられるべき事項であ って,その選択は,人生に関する信念であり,憲法14条1項にいう「信 条」ないしそれに準ずる事項に当たるというべきである。したがって,夫 婦同氏制を定める本件各規定は,「信条」による法的な差別的取り扱いを 定めているものにほかならない。 イ 原判決は,本件各規定が,夫婦別氏を希望する者とそうでない者とを区 別することなく一律に適用されるから差別的取扱いに当たらないと説示す るが,法律が一律に適用されるからといって,差別的取扱いに当たらない とはいえない。憲法14条1項は,法適用の平等だけでなく,法そのもの の内容も平等の原則に従って定立されるべきであるという,法内容の平等 をも意味するものであるし,異なる立場・状況にある者を同じに扱うのは, 同じ立場・状況にある者を別異に取り扱うのと同様,平等に反する。 また,仮に夫婦別氏が「信条」に該当しないとしても,夫婦双方が婚姻 後も継続して生来の氏の継続使用を希望し,かつ,互いのそうした希望を 尊重し合う夫婦として生きるか,夫婦の一方が氏を変更することによって 不利益を被る面があるとしても同氏であることに一体感を感じ同氏夫婦と して生きるかは,夫婦としてのあり方を含む個人としての生き方に関する 自己決定
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は,控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。