損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所広島高等裁判所
事件番号平成31(ネ)83
判決日2021-02-24
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
⑴ 本件動脈瘤の術中破裂があった場合に開頭手術では救命することができな
いことについての説明義務違反の有無(争点1)。
(控訴人ら)
本件動脈瘤の術中破裂があった場合,開頭手術の開始までに最低2時間を
要するため,開頭手術では救命することができなかったのであるから,H医
師には,Gに対し,本件動脈瘤の術中破裂があった場合,開頭手術では救命
することができないことを説明すべき義務があった。
しかるに,H医師は,Gに対し,「7.合併症…①術中破裂 …破裂した
場合に出血が止められなくなり急いで開頭手術をしなければならない場合
や,手術すらできない場合もあります。最悪の場合はなくなられます。」と
記載された「破裂脳動脈瘤 血管内手術の説明」と題する書面(以下「本件
手術説明書面」という。甲A5,乙A1の132~137頁)を用い,本件
動脈瘤の術中破裂があった場合でも,例外的に手術すらできないときを除
き,開頭手術で救命することができる旨を説明し,上記の説明義務を怠っ
た。
そして,H医師が上記説明義務を尽くしていれば,Gはコイル塞栓術を選
択しておらず,本件再破裂が起こってGが死亡することもなかったから,上
記説明義務の違反とGの死亡との間には相当因果関係がある。
(被控訴人)
H医師は,Gに対し,本件動脈瘤の術中破裂があった場合でも,例外的に
手術すらできないときを除き,開頭手術で救命することができる旨の説明を
していない。
H医師が説明の際に想定していた開頭手術は,本件動脈瘤の術中破裂後,
コイル塞栓をすることができず直ちに出血を止めることができなかったとき
に,継続的な出血により頭蓋内に大きな血塊ができ,血塊により脳圧が急激
に上昇し,血塊の摘出が必要となった場合に実施される開頭手術であったと
ころ,H医師は,Gに対し,コイル塞栓術により出血が止められなかった場
合,その後,開頭手術を実施することがある旨の説明をしたものであり,そ
の説明に不適切なところはなかった。
⑵ 本件動脈瘤の形状・存在部位及びそれに伴う手術の困難さについての説明
義務違反の有無(争点2)
(控訴人ら)
ア 本件動脈瘤は二つの葉状の構成成分を有するものであり,本件動脈瘤に
対するコイル塞栓術はダブルカテーテル(2本のカテーテルからそれぞれ
コイルを挿入することができるカテーテル)を用いなければならないほど
難しいものであったから,H医師には,Gに対し,クリッピング術との比
較検討をすることができる程度に,本件動脈瘤について,二つの葉状の構
成成分を有するものであり,上記のようにコイル塞栓術が難しいものであ

主文(判決文より)

1 原判決を次のとおり変更する。
⑴ 被控訴人は,控訴人Aに対し,1584万3675円及びこれに
対する平成25年7月1日から支払済みまで年5%の割合による金
員を支払え。
⑵ 被控訴人は,控訴人Bに対し,1584万3675円及びこれに
対する平成25年7月1日から支払済みまで年5%の割合による金
員を支払え。
⑶ 被控訴人は,控訴人Cに対し,3223万7351円及びこれに
対する平成25年7月1日から支払済みまで年5%の割合による金
員を支払え。
⑷ 被控訴人は,控訴人Dに対し,165万円及びこれに対する平成
25年7月1日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
⑸ 被控訴人は,控訴人Eに対し,165万円及びこれに対する平成
25年7月1日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
⑹ 控訴人らのその余の各請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は,第1,2審を通じて,これを10分し,その1を控訴
人らの負担とし,その余を被控訴人の負担とする。
3 この判決は,控訴人ら勝訴部分に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。