憲法53条違憲国家賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所広島高等裁判所 岡山支部 第2部
事件番号令和3(ネ)77
判決日2022-01-27
分類行政
判決種別判決
判決文が挙げた条文憲法7条2号、憲法15条、憲法21条、憲法21条1項、憲法22条1項、憲法52条、憲法53条、憲法54条1項、憲法66条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張は,後記3のとおり当審における当事者の
補足的主張を加えるほかは,原判決「事実及び理由」の「第2 事案の概要等」
1及び2(原判決2頁14行目~16頁21行目)に記載のとおりであるから,
これを引用する。
3 当審における当事者の補足的主張
憲法53条後段に基づく臨時会の召集要求があった場合において,内閣は,
個々の国会議員に対し,国賠法1条1項適用上の職務上の法的義務として,臨
時会の召集を行うことを決定する義務を負うか(争点2)
(控訴人)
控訴人の国会活動は,公務ないし公益目的のものではあるが,下記ア及び
イのとおり,控訴人の職業活動の自由(憲法22条1項),表現の自由(憲
法21条)及び参政権(憲法15条)に基づく主観的な権利利益であること
も否定されないというべきである。内閣は,控訴人に対し,職務上の法的義
務として,臨時会の召集を決定する義務を負っていたにもかかわらず,本件
召集要求に応じるべき合理的期間(20日)を超えて本件懈怠をしたことに
より,控訴人の召集されるべき臨時会における国会活動という国賠法上保護
される権利利益を侵害したというべきである。
ア 職業活動の自由(憲法22条1項)に基づく国会活動
公務を含む「職業は,ひとりその選択,すなわち職業の開始,継続,廃
止において自由であるばかりでなく,選択した職業の遂行自体,すなわち
その職業活動の内容,態様においても,原則として自由であることが要請
されるのであり,したがって,右規定(憲法22条1項)は,狭義におけ
る職業選択の自由のみならず,職業活動の自由の保障をも包含しているも
のと解すべきである」(最高裁判所昭和50年4月30日大法廷判決・民
集29巻4号572頁)ところ,国会議員は,月額129万4000円の
報酬を得る以上,職業であるといえ,控訴人は,職業自体に人格的利益を
有しており,その職業の内容たる国会議員の仕事(国会活動)も職業活動
の自由として憲法22条1項により保護されるというべきである(甲A1
14)。
そして,控訴人は,本件懈怠によって,国民を代表し,国民の意思を国
会活動(質問,議論,調査,出席議員の過半数による議決など)を通じて
国政に反映させるという,臨時会が召集されたならば行なえたであろう国
会議員としての中核的な活動が98日間全く行えなかったから,臨時会を
召集すべき合理的期間(20日間)を除く期間にわたり,控訴人の職業活
動の自由に基づく国会活動を侵害されたといえる。
イ 表現の自由(憲法21条)及び参政権(憲法15条)に基づく国会活動
控訴人は,本件懈怠によって,前記ア同様,臨時会が召集されたならば
行なえたであろう控訴人の表現の自由(憲法21条)及び参政権(憲法1
5条)に基づく政治活動の自由の一環である国会活動を侵害されたといえ

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。