各詐欺幇助被告事件

事件の基本情報

裁判所広島高等裁判所
事件番号令和4(う)39
判決日2022-07-27
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点として議論されていなかったのに、原裁判所は釈明義務を尽くさず
不意打ちのように事実を認定しており審理不尽の違法があることから、以上の
ような判決や審理をした原裁判所には判決に影響を及ぼすべき訴訟手続の法
令違反があるというものである。
そこで記録を調査して検討する。
①について見ると、所論が論難する原判決の認定判断は、「被告人らが上記
照会への回答や回線停止要請等を含め電話でのやり取りを行っている中で、P
社が提供先法人に提供したIP電話回線が多数特殊詐欺に利用されたことや、
そういった場合にP社宛てに警察から捜査関係事項照会がされたり、キャリア
から強制解約がされたりすることを認識していた」という部分や、この認定事
実等を前提として被告人らに詐欺幇助の故意があると判示する部分と解され
るところ、上記照会等に係る原判決の認定については、P社を名宛人とした捜
査機関からの照会に対する被告人らの回答行為ないし回答内容それ自体では
なく、上記照会等を通じて被告人らが特殊詐欺の関連情報について知り得たこ
とを被告人らの内心の立証その他の有罪立証に用いたものであることは、その
説示から明らかである。したがって、原裁判所の訴訟手続について黙秘権侵害
の問題は生じない。
②については、所論のいう「K社の設立経緯」とはK社の代表者の名義変更
手続等をした経緯をいうものと解されるが、後述するとおり、その経緯やこれ
への被告人らの各関与内容について、原判決は明示的に説示している。また、
原審では、検察官による冒頭陳述及び第4回公判期日においてされた論告にお
いて、上記の経緯やこれへの被告人らの関与について明確に主張され、各被告
人質問においても明確に質問されている。以上のような原判決及び原審経過に
照らし、釈明義務の問題や不意打ちの問題はおよそ生じない。
その余を含め全ての所論を検討しても、原裁判所に訴訟手続の法令違反は見
いだせず、所論は採用できない。
論旨は理由がない。
4 事実誤認及び法令適用の誤りの論旨について
論旨は、被告人らについて、いずれも詐欺幇助行為も詐欺幇助の故意も認め
られないのに、これらを認めて詐欺幇助罪を適用した原判決には判決に影響を
及ぼすべき事実誤認及び法令適用の誤りがあるというものである。
そこで、記録を調査して検討する。
原判決は、「補足説明」において、次のとおり説示して、被告人らについて
共謀による詐欺幇助罪が成立するとした。
ア 証拠によれば、被告人らがP社の活動として行っていたIP電話回線提供
業務その他の事実関係は次のとおりである。
被告人甲は、被告人乙にIP電話回線販売の仕事を紹介し、資本金10
万円を用意し、平成31年1月16日、被告人乙が会社代表者としてP社
を設立した。P社のレンタルオフィスは被告人甲が用意したが、業務は、
そ

主文(判決文より)

本件各控訴を棄却する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。