損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所広島高等裁判所
事件番号令和4(ネ)265
判決日2023-02-15
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
⑴ 丙警部補の自殺と業務との因果関係(本件自殺の公務起因性)
⑵ 静岡県警察の安全配慮義務違反の有無
⑶ 損害の発生及びその数額
⑷ 過失相殺
4 争点に関する当事者の主張
⑴ 争点⑴(丙警部補の自殺と業務との因果関係(本件自殺の公務起因性))
について
(被控訴人らの主張)
ア 時間外勤務時間の算定
時間外勤務時間の認定資料について
労働基準法所定の勤務時間に当たるか否かは、労働者が使用者の指揮
命令下に置かれていると評価することができるか否かにより客観的に判
断すべきものである。
控訴人は、丙警部補が提出した時間外勤務実績報告書(乙4。以下、
「本件時間外勤務実績報告書」という。)に記載された時間外勤務時間
のうち、上司が必要性・緊急性があると判断したものに限って勤務時間
とすべきである旨主張するが、上司であった己課長が行っていた上記判
断は、資料の確認や同僚等への聴取を行うものではなく、自身の感覚や
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他の署員との公平の観点に照らし、裁量的判断を行っていたというにす
ぎず、その実態は単なる独断というべきものであって、そのような判断
により勤務時間該当性が左右されることにはならない。
そうすると、本件時間外勤務実績報告書は、丙警部補の時間外勤務の
状況が反映されているといえ、報告されている時間について、使用者の
指揮命令下に置かれたものと評価することができることは明らかである
から、本件時間外勤務実績報告書の記載内容をもとに勤務時間を算出す
ることには合理性がある。
また、丙警部補は、妻である丁との間で、まだ勤務中であるとか、も
う少ししたら帰れるといったメールのやり取りを行っているところ、こ
のようなやり取りは、本件時間外勤務実績報告書において時間外勤務と
して報告されている時間以外にも、丙警部補が業務を行っていることを
窺わせ、勤務日誌等の記載とも整合する部分があることからすると、メ
ールの送信時間に至るまで(すなわち、本件時間外勤務実績報告書に記
載された勤務時間を超えて)、業務を行っていたと認められる。このこ
とは、静岡県警察の調査によっても、原判決別紙6のとおり、丙警部補
が本件時間外勤務実績報告書に記載された時間以外にも業務のために、
庚交番にいたことが確認されていることとも整合する。
そうすると、丙警部補は、本件時間外勤務実績報告書の記載によって
も、本件自殺前の1か月間の時間外勤務時間が111時間を超えている
ところ、丙警部補の実際の時間外勤務時間は、これを優に上回るもので
あったといえる。
当直日の休憩時間中に業務を行っており、休憩時間も時間外勤務時
間に含めるべきことについて
基金による調査の過程において、複数の関係者らにより、丙警部補は、
当直日において規定どおりの休憩時間を取得することができていなかっ
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主文(判決文より)

1 原判決中、控訴人敗訴部分を取り消す。
2 被控訴人らの請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、第1、2審を通じて被控訴人らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。