公職選挙法違反被告事件

事件の基本情報

裁判所広島高等裁判所
事件番号令和5(う)37
判決日2023-07-27
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点は被告人に本件現金を受領する意思があったと
認められるかであるとして、被告人の立場やBが本件現金を被告人方に
置いて立ち去った際の状況、さらに、その後の事実ないし事実経過を認
定した上、Bが本件現金を置いて立ち去った直後にBを追い掛けたり、
本件封筒に「返せ」と記載したりするなどした被告人の行動は、本件現
金を返還する意思を有していたことをうかがわせるものではあるが、他
方、被告人が、その後約1年の間、Bに本件現金を返還することが可能
であったにもかかわらず、返還に向けた具体的な行動をしていないとい
った事情は被告人に本件現金を返還する意思があったこととはそぐわ
ないものであり、Bの意向を受け入れて本件現金を受領する意思を有す
るに至ったことをうかがわせるものであると説示し、さらに、町議会議
長として町の利益を考えると、地元選出の現職の衆議院議員であるBと
の関係を維持せざるを得ないから、Bの不興を買わないように返還の名
目や機会等を見計らっているうちにその機会を失っただけで、終始返還
の意思があったという被告人供述については、このようなBと被告人と
の関係性は将来的にも相当期間継続することが見込まれる状況にあり、
Bが本件現金を置いて立ち去った後に本件現金の返還方法を検討した
ときには、被告人の考えによる限り、本件現金を早期にそのままBに返
還することはおよそ現実的ではなく、被告人もそのことを認識したもの
と認められると指摘し、また、本件現金をそのまま返すとBの機嫌を損
ねるので、それと悟られないよう祝賀会等における祝い金等の別の名目
でBに現金を渡す方法を検討していたと被告人が述べるところは、もは
や返還でなく本件現金をいったん自分のものとした上で別の目的に使
用するものであると指摘し、被告人は、消極的であるにせよ、本件現金
を自由に処分し得るものとして自己の所得に帰属せしめる意思の下、B
が本件現金を供与してきた趣旨を受け入れたものと認められると説示
し、被告人には受領の意思が認められるとの判断を示したものである。
第2 事実誤認ないし法令適用の誤り、理由齟齬をいう論旨について
1 論旨は、要するに、被告人にはBが被告人方に置いていった本件現金
を受領する意思は認められないのであるから、被告人に受供与罪が成立
するとした原判決には事実の誤認ないし法令適用の誤りがあるとして、
以下のとおり、原判決の認定判断を縷々論難する。
⑴ 所論は、Bが本件封筒を放置して立ち去った状況や、本件封筒を持
ってBを追い掛けたものの同人に追いつけなかったことから、返還す
る物であることを明確にした上で紛失等しないように保管したという
被告人の行動や対応状況等を客観的にみれば、被告人の行為は被告人
方に投げ込まれた物を拾得物として保管管理しているのと同様であり、
そ

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。