傷害

事件の基本情報

裁判所福岡高等裁判所
事件番号平成21(う)228
判決日2010-09-16
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点整理手続は不十分で,当事者への求釈明義務を怠った結果,被
告人の防御権を侵害する違法を生じさせているから,1審の訴訟手続には,判決に
影響を及ぼすことの明らかな訴訟手続の法令違反がある。
2 事実誤認及び法令適用の誤り
被告人の行為は,正当な看護業務としての行為であり,傷害罪の構成要件に該当
しないか,そうでなくとも違法性が阻却され,被告人は無罪であるのに,1審判決
は,被告人の捜査段階の供述調書に信用性を認めるなどして,事実を誤認し,その
結果,法令適用を誤り,被告人に本件各傷害罪の成立を認めたもので,明らかな事
実誤認及び法令適用の誤りがある。
3 量刑不当
仮に本件各傷害罪の成立が認められる場合でも,被告人を懲役6月・3年間刑執
行猶予に処した1審判決の量刑は重過ぎて不当であり,罰金刑が相当である。
第2 検察官の答弁
1 訴訟手続の法令違反
1審判決は,当事者双方によって攻撃防御が尽くされている事実を前提に判断を
しており,被告人側に対する不意打ちではないし,釈明権を行使すべきような判断
枠組みが用いられているものではない。
2 事実誤認,法令適用の誤り
被告人は,逮捕当日から自白し,その後,弁護士から助言を受けながらも,Aに
対する傷害で起訴されるまで一貫して自白を維持し,Bに対する傷害についても相
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当期間自白を維持しており,動機を語る部分は被告人自ら語らなければ録取できな
い内容で,犯行状況に関する供述は具体的・詳細であり,訂正も被告人の申立ての
とおりになされていること,一部客観的事実に反する被告人に有利な記載もあるこ
とから,十分に任意性があり,高度の信用性が認められ,弁護人の主張は,その大
半が被告人の捜査段階の供述に照らして失当であって,いずれも理由がない。
3 量刑不当
本件の犯情の悪質さに照らすと,被告人に有利な事情を考慮しても,被告人を懲
役6月・3年間刑執行猶予に処した1審判決の量刑が重過ぎて不当とはいえない。

主文(判決文より)

1審判決を破棄する。
被告人は無罪。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。