事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡高等裁判所 那覇支部 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成22(ネ)113 |
| 判決日 | 2010-12-07 |
| 分類 | 労働 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点①)について 被控訴人は、「ウチクルス」(沖縄方言で「懲らしめる」の意)と発 言したにとどまり「殺す」とは発言していない、同僚や上司に対する攻 撃的な態度を執っていないと主張する。控訴人は、本件制裁解雇に係る 制裁解雇事由として、本件解雇予告通知書に記載されている本件発言及 び上記態度のほか、被控訴人の勤務状況等が極めて悪く、被控訴人が職 場の秩序を乱し、他の従業員に恐怖や不安を与えたとの事実を主張する ところ、被控訴人はそれらの事実も存在しないと主張する。 イ 解雇権濫用の成否(争点②)について また、被控訴人は、本件制裁解雇はP5らによる被控訴人に対するパ ワーハラスメントの一環としてされたものであるなどとして、解雇権の 濫用に該当すると主張する。 ウ 請求 被控訴人は、上記の理由により本件制裁解雇が無効であるとして、控 訴人に対し雇用契約上の地位にあることの確認を求めるほか、未払賃金 - 3 - 等の支払を求めている。 2 原判決 (1) 制裁解雇事由の有無(争点①)について ア 原審は、諸機関労務協約において「秩序を乱す行為」「重」につき「争 闘、脅迫もしくは他人に対する傷害、権限ある者に対する肉体的抵抗、士 気、業務もしくは規律の保持に悪影響をあたえる粗野な言動またはみだら なもしくは不道徳な行為」と説明されているところ、これを例示と解した としても、これと同程度の行為でなければ制裁解雇の根拠とすることがで きないとした。 イ 原審は、被控訴人が「殺す」又は「ウチクルス」のどちらの発言をした のかは必ずしも判然としないものの、海兵隊がP4の生命・身体を保護す る措置を執った形跡がないことを踏まえると、その発言が現にP4を殺害 するなどの物理的攻撃に及ぶことを高い蓋然性で予見させるようなもの であったとは認めるに足りず、本件制裁解雇を基礎付ける事由たり得ない とした。 ウ また、原審は、控訴人が制裁解雇事由として主張するその余の事実(被 控訴人の勤務状況等が極めて悪く、被控訴人が職場の秩序を乱し、他の従 業員に恐怖や不安を与えたとの事実)については、本件制裁解雇を基礎付 けるほどの重大な事実は認めるに足りないとした。 (2) 解雇権濫用の成否(争点②)について 原審は、仮に制裁解雇事由が認められるとしても、被控訴人の本件発言 の内容その他の事情にかんがみ、本件制裁解雇は重きに失し、解雇権の濫 用に該当するとした。 (3) 結論 原審は、被控訴人が控訴人に対し雇用契約上の地位にあることを確認す るとともに(主文1項)、平成20年1月から本判決確定の日まで毎月1 - 4 - 0日限り月額賃金29万7590円(基本給26万0900円+格差給2 万6090円+扶養手当6500円+通勤手当4100円。毎月末日締翌 月10日支払)、毎年6月5日限り夏季手当5
主文(判決文より)
1 原判決主文2,3項を次のとおり変更する。 (1) 控訴人は、被控訴人に対し、本判決確定の日まで、別紙賃金支給 額計算表の支払期日欄記載の各期日限り、同表合計額欄記載の各金 員及びこれに対する各期日の翌日から支払済みまで年5分の割合に よる金員を支払え。 (2) 被控訴人のその余の請求を棄却する。 2 その余の本件控訴を棄却する。 3 訴訟費用は、第1、2審とも控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。