事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成23(う)122 |
| 判決日 | 2011-10-18 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点に対する判断」の第2項にお いて,犯行の動機・原因,犯行の手段・態様,犯行前後の行動等について具体的に 摘示する事実も,概ねそのとおりであったと認めることができる。すなわち,関係 各証拠によれば,次の事実が認められる。被告人は,昭和35年5月に税理士をし ていた父とAとの間に長男(戸籍上は二男)として出生し,昭和37年10月には 弟B(以下「B」又は「弟」という)が誕生した。被告人は,昭和58年3月に大 学を卒業した後,北九州市内の税理士事務所で働くようになり,昭和60年には税 理士資格を取得したが,平成2年7月ころ福岡市内の公認会計士事務所に移った。 ところが,被告人は,平成4年1月ころに同事務所を辞め,家に引きこもった生活 をするようになり,平成5年8月ころには,迎えに来た父と共に大分県竹田市内の 実家に戻って両親と3人で生活するようになったものの,時々バイクで外出する程 度で,仕事はしないで,一日中テレビを見るなどして引きこもった生活を続けてい た。そして,平成12年8月に父が亡くなってからは,Aと2人だけの生活を送る とともに,Aに頼まれたときに買い物に出る以外はほとんど外出せず,引きこもり の生活を送っていたところ,平成22年1月26日午前4時ころ,布団に入って横 - 3 - になっているとき,ふと「母親を殺そうか」と思い,さらに「弟も殺そう」と思っ た。そこで,被告人は,Bの家に何回か電話をかけ,同日午後9時ころ被告人方を 訪ねて来たBがしばらくAや被告人と話をしてから,同日午後10時ころ帰宅しよ うとしたので,Bを殺すために台所に行って2本の包丁のうち切れ味の鋭い方を選 んだが,Bが玄関から外に出た様子だったので,包丁を元に戻した。ところが,そ の後玄関から母親と戻ってきたBの声がしたので,もう1度包丁を取り出し右手に 隠し持って玄関に行き,Bの心臓目がけて包丁を突き出したが,Bに包丁を取り上 げられ,Aからも制止された。そして,Bは,このまま被告人方にいるのは良くな いと判断し,包丁を持って帰宅した。一方,被告人は,翌27日午前3時ころ,A を殺そうと思って,台所からもう1本の包丁を取り出してAが寝ている部屋に行き, Aの布団をめくり,刺しやすいようにAの体を被告人の方に向け,その左脇腹に包 丁を突きつけたところ,目を覚ましたAが「やめて」と言って泣きながら逃げ出し たので,Aが泣き叫ぶのを止めさせるために包丁を布団の上に置いてその場を離れ た。次いで,被告人は,同日午前8時ころ,Aが台所で朝食の準備をした後包丁を まな板の上に置いているのを見つけ,Aを殺そうと思って包丁を手に取り,台所に 戻ってきたAに包丁を突きつけたが,Aは玄関の方に逃げて行った。被告人は,人 目に付くのが嫌だったことからAを追いかけることなく,しばらく考えてから包丁
主文(判決文より)
1審判決を破棄する。 被告人は無罪。
出典
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