傷害致死

事件の基本情報

裁判所福岡高等裁判所
事件番号平成23(う)420
判決日2011-11-25
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点も,①被告人が第2暴行に及んだと認められるか,②被告人が第3暴
行に及んだと認められるか,③第4暴行は,被告人が心臓マッサージ目的で行なっ
た正当行為と認められるか,であるとされた。
1審判決は,①第2暴行については,Bの後頭部の損傷は,ネジ頭が飛び出てい
る壁面に後頭部が当たった上,正面からも力が加えられて生じたとみるのが自然で
あり,Bが体勢を崩したはずみで自傷したなどともみられないから,被告人が第2
暴行に及んだと認められる,②第3暴行については,被告人の自白が,寮の壁に付
着した相当数のBの飛沫血痕や,被告人が穿いていたズボンの内股部分に染み付い
た血と整合していることから,被告人が第3暴行に及んだと認められる,③被告人
は,意識を失い仰向けに倒れているBの胸部及び腹部の上に両足で立ち,屈伸して
踏み付けるなどし,肝臓が断裂し,脾臓が破裂するなどの臓器損傷を負わせている
ところ,複数の臓器が破裂するほどの力を込めて両足で踏み付ける行為は,Bを蔑
ろにする極めて危険かつ激しい有形力の行使であることは明らかで,Bの身体の安
全を顧みる意思があったとは認められず,救命救助処置としての心臓マッサージと
みることはできず正当行為とは認められない,と判断して,上記(罪となるべき事
実)を認定した。
2 当裁判所の判断
(1) 上記①,③について
これらについては,1審判決の事実認定の結論に誤りはなく,(事実認定の補足
説明及び弁護人の主張に対する判断)中の該当部分も,おおむね正当として是認で
- 2 -
きる。
ア 上記①について
弁護人は,第2暴行の存在をうかがわせる客観的事実として,玄関内の壁面に突
起していたネジにBの毛髪が付着していること,及び,Bの後頭部には,ネジ頭の
直径と同じ大きさの約0.7センチメートルで,深さ約1センチメートルの損傷が
認められることを説示しているが,これらの事実から認定できるのは,Bの後頭部
が,ネジが突き出た壁面に当たったことだけであり,第2暴行の存在までは推認で
きず,Bの頭頂部の骨折も,他の機会に生じた可能性があるから,被告人が第2暴
行を行ったとは認められない旨主張する(弁護人は,「被告人は,Bを運ぶ途中で
二,三回Bの上半身を地面に落としているのであるから(乙2・8頁),その際に
後頭部を強打した可能性もあり」というが,1審乙2号証の当該部分は,1審で取
り調べられていない)。
しかし,被告人の司法解剖を担当したC医師は,Bの頭蓋は,頭頂部(矢状縫合
部)が離開し,それとともに前後方向に骨折しているから,Bの頭蓋に対し,前後
方向に強い圧迫の力が加わったと考えられる,そして,後頭部を強く打ち付けたと
きに,前面が押さえ付けられていれば,このような骨折ができると思われる旨の証
言をしており,この証言に疑問の余地はな

主文(判決文より)

1審判決を破棄する。
被告人を懲役6年に処する。
1審における未決勾留日数中120日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。