所得税更正処分取消請求控訴事件(原審・福岡地方裁判所平成20年(行ウ)第58号,差戻前控訴審・当庁平成22年(行コ)第12号,上告審・最高裁判所平成23年(行ヒ)第104号,同第105号)

事件の基本情報

裁判所福岡高等裁判所
事件番号平成24(行コ)8
判決日2013-05-30
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文所得税法34条2項、民事訴訟法325条3項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
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被控訴人が満期保険金に係る一時所得の金額の計算において,本件支払保険
料のうち,法人負担分についても,所得税法34条2項の「その収入を得るた
めに支出した金額」に当たるとして,その金額を控除して申告したこと(以下
「本件申告処理」という。)について,国税通則法65条4項が定める「正当
な理由があると認められる」場合に該当するか。
6 争点に関する当事者の主張
(被控訴人の主張)
以下の事情ないし事実からすると,本件申告処理は,例外的に過少申告加算
税の課されない場合として国税通則法65条4項が定める「正当な理由がある
と認められる」場合に該当する。
(1) 八幡税務署による誤指導
被控訴人の妻P1は,八幡税務署において,本件養老保険契約における満
期保険金の申告方法について相談したところ,平成18年3月ころ,一時所
得の計算上,本件支払保険料全額を控除して申告ができる旨の回答を得た。
そこで,被控訴人は,平成18年3月に,本件申告処理をしたうえで,確
定申告を行った。
(2) 所得税法,同法施行令,通達の文言解釈との関係等
以下のとおり,被控訴人の解釈は,法令や通達の文言を素直に解釈するこ
とによって導かれる,法律の文言どおりの解釈である。
ア 本件養老保険契約における満期保険金は,一時所得であるところ,所得
税法34条2項は,一時所得の金額の計算につき,「一時所得の金額は,
その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出し
た金額の合計額を控除し」と規定し,「その収入を得るために支出した金
額」が収入を得た本人の負担分に限定される旨の明示は一切ない。
イ また,所得税法施行令183条2項2号は,「生命保険契約等に係る保
険料又は掛金の総額」は,一時所得の計算上控除できる旨規定しており,
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その文言上,本人の負担分しか控除できないという限定はない。また,同
号は,除外事由について規定しているが,養老保険にかかる支払保険料に
ついては,除外事由に該当しない。
ウ さらに,所得税基本通達34-4は,一時所得の計算上控除できる保険
料等の額には「満期返戻金等の支払を受ける者以外の者が負担した保険料
等の額も含まれる。」と規定し,支払を受ける者以外が負担した保険料又
は掛金の額も支出した金額に含まれる旨明示している。
(3) 養老保険の特性
養老保険の場合,支払保険料の総額を払い込まない限り満期(又は死亡)
保険金全額の支払を受けることはできないのであるから,死亡と生存は表裏
の関係にあり,満期(又は死亡)保険金に対応しているのは,あくまでも支
払保険料の総額である。
養老保険は,生存または死亡を保険事故とすることから,本件のように満
期保険金と死亡保険金の受取人が分離するということも当然にありうるが,
この場合でも,満期(又は死

主文(判決文より)

1 原判決中,過少申告加算税賦課決定処分の取消請求を認容した部分を取
り消し,同請求を棄却する。
2 前項に関する訴訟の総費用は被控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。