強盗致傷(認定罪名 恐喝未遂,傷害)被告事件

事件の基本情報

裁判所福岡高等裁判所
事件番号平成29(う)128
判決日2017-09-19
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点との関連で,その経緯をみると,原裁判所
は,前記公訴事実を前提にしても,被告人らの被害者に対する暴行,脅迫と債務免
脱との間には時間的,場所的間隔があるから,暴行,脅迫が強度であったとしても,
畏怖させて仕方なく債務免脱行為をさせようとしたにすぎないと評価される可能性
があり,その場合には,強盗致傷罪ではなく,恐喝未遂罪と傷害罪が成立するとし
て,原審検察官及び原審弁護人に検討を求めた。これに対し,原審検察官は,被告
人らの激しい暴行や強烈な脅迫に加えて,その当時の状況に照らすと,一般人を基
準にみて,被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行,脅迫であったことは明ら
かであり,原裁判所が指摘する時間的,場所的間隔の観点は,暴行,脅迫について
の評価に影響するものではないと主張した。他方で,原審弁護人は,犯行を全体と
してみれば,被告人らは,被害者を怖がらせ仕方なく金員を支払わせて,Cに債務
を免れさせようとしたもので,恐喝未遂罪と傷害罪が成立するにとどまると主張し
た。このような経緯を受けて,第1回公判前整理手続期日において,争点は,被告
人らによる暴行,脅迫が,被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものと評価でき
るかどうかであることが確認された。
原審公判においては,被害者や共犯者4名等の各証人尋問は,検察官が請求しな
かったため行われず,それら関係者の各供述調書抄本のみが取り調べられ,被告人
質問が行われている。
3 原判決の要旨
原判決は,被告人らの被害者に対する暴行,脅迫について,ほぼ前記公訴事実ど
おりの事実を認定しながら,被告人らによる暴行,脅迫は,それら暴行,脅迫の態
様や程度,被告人側の人数,犯行時間,場所等を前提にすれば,後日被害者が金員
を支払うところまで反抗を抑圧されたままになってしまうといえるほどの強いもの
ではなく,警察に助けを求める選択の余地がないほど激しいものだったとも認めら
れないとして,強盗致傷罪の成立を否定し,恐喝未遂罪と傷害罪が成立するとした。
4 控訴の趣意
本件控訴の趣意は,検察官高橋久志作成の控訴趣意書記載のとおりであり,これ
に対する答弁は,弁護人柏木慎太郎作成の答弁書記載のとおりであるから,これら
を引用する。
検察官の論旨は,要するに,被告人らによる暴行,脅迫は,解放された後の被害
者にも著しい心理的影響を及ぼし,後日被害者が金員を支払うところまで反抗を抑
圧されたままになってしまうほどの強いものであったことは明らかであるから,被
告人らによる暴行,脅迫がその程度までには至っていなかったと認定した原判決に
は,判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認がある,というのである。
第2 検討
記録を調査して検討すると,原判決挙示の関係各証拠から,被告人らによる暴行,
脅迫が被害者の反抗を抑圧する程度には至

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。